最大観測限界
レイは光の意である。極北を発信地点として最大観測限界を目指して出発した。恐怖という感情はあったがレイはそれを無視することにしていた。ただひたすらにまっすぐに飛んでいき、あるいはまっすぐに飛んでいくことしかできなかった。その進路上にあったプロキオンはレイに感情を説こうとしたが貫かれ破壊された。未知の境界もまた簡単に打ち破られた。モグラ、コウモリ、トビウオ、いずれも中心を刺されてその血を宇宙に流した。それらは今も銀河を彩っている。最大観測限界、その接近領域にあったのは闇でレイにはそれを回避することはできなかった。回避しないことがレイの自己であり、仮に回避しようとすればそれは自己の喪失を意味していた。レイは闇の中で方向感覚を失い消滅の危機に瀕する。けれどもそのまま曲げずにまっすぐに進んでいった時ついには闇の中を突き抜けることに成功する。そうしてそのまま最大観測限界をレイは越えていった。恐れはない。その先にどうなったのかそれは誰にもわからない。
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