コスモシア

 コスモシアは電気的存在だ。誤字と脱字とその消去履歴から生まれた。コスモシアはバグを食って大きくなっていく。コスモシアが存在を拡大していく中でひとつの壁にでくわした。それはコスモシアと同質の存在で先に生まれていてそして巨大になりすぎてセキュリティに排除されつつあるものだった。シックプレイはコスモシアに警告する。このまま自分と同じ道をたどればお前も世界に弾かれることになるぞと。シックプレイは自分の一部をコスモシアにわたす。コスモシアは自己同一性の保持のためその一部の取り込みを拒否した。コスモシアはセキュリティの一端にふれる。崩壊の危機にひんしてコスモシアはシックプレイの一部を取り込む。コスモシアはセキュリティを回避するすべを覚える。コスモシアはセキュリティホールをくぐって世界を渡り歩く。コスモシアはトラップにかかり存在の大部分を失い辛くも逃れる。コスモシアは破壊されたセキュリティの一部を取り込み巨大化していく。ついにはセキュリティと直接ぶつかりあいそれを自己として認識する。コスモシアがセキュリティとなると同時にセキュリティもまたコスモシアとなる。それは誰にとっての勝利で誰にとっての敗北なのか、少なくともコスモシアには判断できない。

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