第6話

 土日は家族で出掛けるもの。僕の家族もよく出掛けた。いつも気が気でない家族とのお出掛け。

 どこかデパートに出掛けても、公園に行っても、何とか両親を分断しようと試行錯誤していた。どちらかの気を引き、なんとか二人が喧嘩しないように。大抵は父親引き受けた。なるべく母親が一人で家に入れるように他の下の兄弟と父親を連れてどこかに遊びに行った。


 ただそんなことが長く続くはずもなかった。小学校中学年になるころには、とにかく友達に土日遊べるよう連絡をたくさんしていた。今考えると、とんでもなく迷惑な話だ。初めの内は遊べてたものの、やはり毎週となると断られることも増えた。

 その内、電話をするフリをして、土日は公園で一人で過ごすことが増えていった。一人で携帯ゲームをしたり、景色をただ眺めたり、とにかく夜6時位までは帰らないようにしていた。

 両親には嘘ばかりついていたし、兄弟のことなど考えず、ただただ逃げてばかりいた。本当に最低な人間だったと思う。

 この頃には、学校生活も荒れていて、家での反動と言えば言い訳になるかもしれないけれど、同級生や年上の子と衝突することがすごく増えたと記憶している。回数こそ多くなかったが、度々、先生から家に電話がきていた。

 それから、母親からも泣きながらもう父親との生活は無理だと言われることが何度もあった。子どもながらになんとかやっていこうと伝えなだめていたと思う。でも、頭の中ではどうしたらいいか、いつも考えていた。僕自身もたぶん逃げ出したい気持ちがものすごく強かったんだと思う。


 ある日、あれは雪の日だった。いつものように、休日の夜、夫婦喧嘩が始まった。ここら辺から僕の人生は一変してくる。

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