(10)
ところが……続いて、外の明るさが微妙に変化。
「おい、久米、何が起きてる?」
「無茶苦茶だ……おい、馬鹿、迂闊に出て来んじゃねえッ‼」
「状況が判んねえんだから……何だ、こりゃ?」
上空の複合ヘリが移動していた。
それを追うように、空に光線のようなモノが走る。
「何だ……ありゃ?」
「曳光弾だ」
「だから……何だ?」
「機関銃なんかの弾に何発か一発入ってるヤツだ。飛んでる最中に暗闇で光って見える」
「良く知ってんな」
「ああ、俺が元居た『組』は対人用火器どころか、迫撃砲や対物ライフルや重機関銃まで持ってたんでな」
「どう言うヤクザだ?」
「仕方ねえだろ。熊本を拠点にしてた商売
おいおい、「NEO TOKYO」も、結構、治安がアレだと思ってたが……「本土」は、それ以上だったのかよ。
「ところで……あれ……わざとヘリを外してないか?」
「多分……あのヘリの所属先とは違う『誰か』が、ヘリに警告してんだろう。大人しく去ってくんなら、撃ち落さずに済ませてやる、ってな」
「何か……やな予感が……」
「ああ……ヘリが行ってくれた代りに……来やがった」
「何がだ?」
「この姿の時の俺は……耳も効くし……多少は赤外線も見える」
「へっ?」
念の為……「気」を放つ。誰かの「気」を検知する為のアクティブ・センシングだ。
甲板に「お客さん」達が居る。
だが……それ以外の気配は……ん?
「動くな……。下手な真似はすんな」
「お……おい……」
久米が猛ダッシュ。
下手な「高速移動能力」持ちより
何だ?
暗闇では目立つ……白い帽子に白いジャージのデブが、どこからともなく現われ……甲板で一塊になってるお客さんに近付く。
おい……何で、俺の気配を探る術で検知出来なかった?
久米が白豚野郎を右手の爪で攻撃。
何だ、あのデブ? サモ・ハン・キンポーか何かか? 昔の香港映画の「燃えよデブゴン」かよ?
あっさり、久米の攻撃を避けて、後方に大きくジャンプ。
それも……良く見ると、ポケットに両手を入れたまま余裕かまして……。
次の瞬間……久米のズボンが弾け散る。
「あっ?」
久米の尻から……巨大な
おい……そうか……あのデブが暗闇でも目立つ格好をしてたのは……おとりか……。
暗闇の中に……黒一色の服を着た誰かの手に有る
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