第6話
そのあと俺たちは、王女様に案内されジョブ確認のための部屋へと案内された。
移動中生徒のみんなは、友達どうしで今後のことに関して話し合っているようで周りから話し声が聞こえる。
かくいう俺も、健人と聖そして刀花姉の三人と話し合っていた。
「なぁ、どおする?俺としては旅に出てもいいんだけど」
「おいおい、健人先にジョブがわからないことにはその話は進められないぞ」
「そうよ健人、非戦闘系のジョブだった場合旅に出ても足手まといにしかならないわよ」
「私は、向こうで習った武術があるから大丈夫かな~」
「刀花姉、それは慢心が過ぎるぞ。俺たちの世界で通じてもこっちの世界で通用するかはわからないんだぞ」
「うっ!正論・・・」
話し合いの結果ジョブがわからないことには始まらないということで、そこでいったん話は終わった。
「皆様こちらがジョブを知るための部屋、鑑定神の間でございます」
連れてこられた部屋は、白を基調としたシンプルな部屋でどこか神秘的な感じがする場所だった。
その部屋の奥のほうに水晶のようなものと人の形をした石像があり、その石像はモノクルを付けローブをまとった青年の姿を形作っていた。
「あの中央奥に見えます石像は、鑑定神・プロビデンス様の像です。あの前で鑑定神に仕える神官が専用の魔道具を使い皆様のジョブを調べます。そしてその神官がこのものです」
そういうと王女様の後ろについていたローブ姿の人物が一人前に出る。
「この度皆様のジョブを調べさせていただきます。鑑定神・プロビデンス様に仕える神官が一人、アリス・ラベリタと申します。気軽にアリスとお呼びください」
茶色い髪に琥珀色の瞳をした奇麗な女性アリスは、生徒たちを見渡し奇麗な動作で挨拶をする。
「それではさっそく始めましょうか。最初はどなたから始めましょうか?」
「そうですね、まずは私からやりましょう」
そう言った刀花姉がアリスに続いて像の前へと移動する。
移動した刀花姉はアリスに教えられたとおりに水晶の上に手を置く。
その瞬間水晶の頭上に透明なウィンドウのようなものが現れ、ゲームのような画面が表示される。
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ジョブ 剣聖
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「まあ!剣聖なんて、トウカすごいです!」
刀花姉のジョブに対して王女様含めみんな称賛の声をあげる。
生徒の中でもファンタジーに詳しい生徒(俺も含む)は、「おお~」と声をあげた。
当の本人である刀花姉は、よくわかってないようで困惑しているようだ。
そのあとは前のほうにいた生徒から順番にジョブ鑑定をし始めた。
錬金術師、魔法使い、騎士、テイマー、料理人、鍛冶師など戦闘ジョブや非戦闘ジョブなど本当に様々なジョブが表示され、そのたび周りからいろいろな反応の声が上がる。
そしていよいよ一番後ろのほうにいた俺たち三人の順番が来た。
先に健人がジョブの鑑定をしに前へと出た。
健人が水晶の上に手を置き、表示された文字は・・・
__________
ジョブ 勇者
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その瞬間部屋全体から大きな歓声が上がる。
「勇者様、あなた様のお名前をお聞きしてよろしいでしょうか!?」
「え!?え、えっと。健人です。柊 健人」
「ケント様。改めてお願い申し上げます。どうか、どうか我々のためにあなた様の力をお貸しください!」
その言葉に対して健人は俺たちのほうに顔を向ける。
それに対して俺と聖は、顔を見合わせ肩をすくめると健人に好きにしろと合図をする。
「はい!何ができるかわからないですが、できる限りお手伝いします」
その瞬間健人の言葉に対して、またも部屋全体から大きな歓声が上がった。
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