第1話
「はぁ~、めんどくさ」
大きく口を開けながらあくびをする俺、
しばらく景色を流し見しながら歩いていると、周りは同じ学校もしくは学生であろう人がちらほらと見え始め学校が近くなってきたことを理解するとさらに気分が沈むが足は止まらない。
周りの学生は、友達や恋人と思われる人と楽しそうに話しながら歩いている。
そんな光景を横目にポケットからイヤホンを取り出し、耳につけ好きな音楽を流し始める。
そしてついに学校に到着し、下駄箱で靴を履き替えていると後ろから肩をたたかれる。
俺は、いつもの様に顔を少し後ろへ向けると予想通りの人物であることを確認し溜息を吐く。
「なんだよ、人の顔を見て開口一番溜息とは相変わらず失礼な奴だな」
「それがわかっているなら、いい加減その人差し指を突き出すのをやめろよ」
「いやいや、いつか引っかかる日を迎えるまで辞めるつもりはない」
そういって、俺の肩に置きっぱなしになっている手の人差し指で円を描くように回しながら言ってくる小学校からの腐れ縁である
健人は、昔っから人をからかうのが好きで男女関係なく同じように接する気さくな奴だが決して人が嫌がることはせず、自分だけでなく周りのみんなも楽しませるムードメーカ的存在であり、人の手伝いや友達の相談によく乗ったりする性格のため昔から女性受けがいいやつだ。
「おはよう、二人とも。いつもいつも仲がいいわね二人は」
健人と俺に声をかけてきたのは、黒髪ロングですらりとしたウエストでありながら出ているところは出ているスタイル抜群の女子生徒だった。
その女子生徒は、健人と同じく小学校からの付き合いである
聖は、才色兼備、文武両道、クールビューティーがぴったりのやつで男女ともに人気が高く女子生徒の中では陰でお姉様呼びが当たり前になっており、男子生徒が作ったファンクラブとは別に女子生徒だけで結成されたファンクラブもあるといわれている。
「おうよ!伊達に親友を名乗っちゃいないぜ!」
「俺は名乗ってないが」
「おいおい、ひでーなー」
「ふふ、やっぱり仲いいじゃない。まぁ、健人も程々にしないと影明に嫌われちゃうわよ」
そんなやり取りをしながら俺たちは教室へと向かうために歩き出した。
他愛もない話をしながら、俺たち三人の関係は続いていくのだろうと思いながら。
ずっと昔から変わらない____
「っ!__」
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