第7話 能天気

朝、目が覚める。天井を見つめて、一瞬どこだか分からなくなる。数秒経って、あ、新しい部屋か、と気付く。正直、寂しいのか、悔しいのか、よく分からない気持ちになる。そっとしておいて欲しいのに、隼人はぐいぐい来るし。

2階から1階のリビングに降りると、目玉焼きに白米、味噌汁の朝食が置かれている。つい最近まで、菓子パンに牛乳っていう朝食だったのに。どうせ三日坊主だろうな、と思ってしまう。


「雄馬、おはよう!」

「はよ。」

「今日は、なんの日でしょう。」

「知らん。」

「俺の誕生日!」

「知らねえよ。」

「夕食にケーキ食べれるぞ。」

・・・嬉しい。ニヤついていたらしく、

「じゃあ、お祝いしてくれるよな!」

と、ニヤつき返しをされる。

「とりあえず、夕飯の時には、食卓にいるようにするよ。」

「おけおけ。サンキューな!」

こいつの能天気さに、実は救われているんだよな。調子狂うけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る