大きいベッドで美少女たちと一緒に寝る
「美味しかったぁ……ごちそうさま、ミア」
「いえいえ、私もカイル様が笑顔でご飯を食べてくれてとても嬉しかったです!」
ミアが作った料理を、カイルはおかわりまでして平らげた。ここ最近は仕事が過酷であるがゆえに、彼はあまり食事を満足に取ることができていなかった。だからこそ、こうしてゆっくりと本当に美味しい料理を食べられる喜びを堪能したようだ。
「それじゃあ後片付けは僕がやるよ。ミアには色々してもらったからね」
「い、いえ! わ、私がやりますよ。カイル様は、今まで色々とご苦労されてきたんですから……とことん私に頼ってください!」
「でも、それじゃあミアが疲れちゃうよ。僕のわがままについてきてくれたんだから、僕はミアにしてあげられることは何でもしたいんだ。だから、これは手伝わさせてほしいな」
「で、でも……」
「だったら、みんなでやろうよ! みんなでお片づけしたらきっとすぐ終わるよ!」
お互い譲り合わないところ、イズナがニコッと笑いながら二人の間を取り持つ。それを聞いた二人は、「なるほど」と納得した様子を見せる。
「それがいいね。よし、それじゃあさっさと片付けてゆっくりしよう」
「はい!」
「うん!」
そうして、三人で夕食の片付けを始めると、想像以上にすぐ終わらすことができた。もし一人で来たとしたら、もっと苦労していたのかもしれないなと思うと、二人には本当に感謝しかないとカイルは実感する。
「終わったー! それじゃあカイル様、一緒にあそぼ! あそぼ!」
「い、イズナ……もう夜だから明日にした方がいいよ」
「やーだミア! イズナは今カイル様と一緒に遊びたいのー!」
片付けが終わると、イズナはカイルにぎゅっと抱きついて駄々をこね始める。こっちに来てからまだ遊ぶことができていないため、我慢ができなくなってしまったのだろう。ミアはそれをなだめようとするものの、全く効果はなさそうだ。
「よし、それじゃあ……どっちが早く眠れるか勝負しよう。イズナが勝ったら、明日は一日中遊んであげる」
なので、カイルはうまいことイズナを言いくるめる。カイルとしては、別に外で遊んでも構わないのだが、ミアが早めに休みたいのかもしれないと思って、そんな条件をつけたわけだ。
「ほんと!? やったー! それじゃあカイル様、あそこの部屋に大きいベッドがあったから、一緒に寝ようよ!」
イズナはカイルの手を引いて、大きなベッドがある部屋に連れて行く。そこには大人が三人並んでも余裕があるぐらい、とても大きくて豪華なベッドが置かれていた。
「ああ、この部屋は……懐かしいな。昔、家族全員で一緒に寝たこともあったっけ」
「そうだったの、カイル様?」
「うん、昔の話だけどね。じゃあ寝よう——あれ、ミア?」
「わ、私も参加します! わ、私もまた……カイル様と一緒に寝たいので」
「そっか。よし、じゃあみんなで寝よう」
そうして、三人は大きなベッドに横たわり眠りにつく。ただ、真ん中で眠っているカイルの両隣では、ミアとイズナがカイルにぴったりとくっついている。
「えへへ〜カイル様」
「か、カイル様……!」
そんなことをされていれば、普通の男性であれば眠ることはなかなかできないだろうが……カイルはよほど今まで睡眠が足りなかったのだろう。あっという間に眠りに落ち、ミアたちにあちこち触られていることにすら、気づくことはなかったのだった。
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