第1話
長男の呪縛
近年は少子高齢化で人口は減り続けるばかり、子どもは大事に育てましょうの雰囲気が日本中を駆け巡っている。
たとえ、1番最初に生まれた男であろうが女であろうが。
畑家は先祖代々、長男を敬い、長男を重宝してきた。
家柄は決して良いとは言えない、歴史的に見ても貧乏百姓なのに兎に角長男が重要なのだ。
亮子は初産で長男勤を産んだ。
第一印象は顔が可愛くない。素直に喜べなかった。
夫にそっくりすぎるのだ。
しかし、1番目に長男が誕生したことに親戚中は大喜びした。
勤君、勤ちゃん、勤、お前は長男だから。
親戚はいつでも今でも可愛がってくれるオッサンになった俺を。
物心つく前から、欲しいものは全て与えられた。
世の中を騒がせた流行り物、特注の車の乗り物、美味しい食べ物、生地から選定された着物や端午の節句の人形。
兄弟では唯一小遣いをもらい、お年玉も1番額が多い。
大人になってからは土地に家まで親戚からいらないかと持ちかけられた。
何故なら長男だから。
畑さん家の四兄弟 @arare_4
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