第16話 どーも、逃走です
前回のあらすじ
主人公 死の訓練再開
本文
どーも、
アプルを齧りながら移動していると、俺が転移した場所に到着したんだけど...
「ねえ?ユリさんや、なんであんなにウルフの死体があると思う?」
「森の中は、力こそ全て。弱肉強食です...ケンさん、ミノタウルスが目の前にいるんです。目を背けないでください」
スマホで鑑定する。
鑑定結果:
ヤバいやばいやばい、ユリさんに鑑定結果を見せ即座に撤退を決断し行動しようとした時。
『オイイ、マテ。ソコニカクレテイルヨワキモノ』
いやいやいや、なんでアイツ喋れるの?モンスターって喋れるの?
『ワタシノチニク二ナレエ』
「はあ?何言ってんのか分かんねーよ、バーカ!」
「えええっ!ケンさん何言ってんですか?馬鹿なんですか!?」
『ワタシガァ、バカダト?ズニノルナ!』
はやっ!!
俺はゴウケツで受け...払われる際にユリさんを掴み一緒になって吹き飛ばされる。かなり後方に吹き飛ばされ木に激突するが、ユリさんを俺の前にした為、衝突を逃れることが出来た。
「がはっ、ユリさん...このスマホを持って俺が見える位置まで隠密スキルを使って距離をとって」
「そんなこと出来ません!嫌、私も残ります!ずっと側にいると言ったじゃないですか!?」
「くっふふふふ、一緒に戦うなら良案がある。耳を近くに...」
ユリさんに作戦を伝え、念のためにスマホを渡す。
「そんな作戦、ケンさんらしくないです。成功するはずありません!」
「いいから、いけよ。俺は生き残るために作戦を立てたんだ。従え」
「うっ...またその目ですか...分かりました、必ず成功させますから、お願いだから死なないで」
「ヤツがくる、早くいけ」
泣きながらこの場を離脱するユリさんに近づかさせないため、
『ヒトリハ、ニゲタカ。オマエニナニガデキル』
ゴウケツを握っていた右手、右腕は先程の攻撃で負傷した。俺はマジックバックからポーションを取り出し身体に何度もふりかける。
「俺は生き残るためなら何でもする。出来るとか関係ないね。やるんだよ」
『ワタシニハムカッテイキノコッタモノハイナイ』
MPを回復するポーションを飲み干し左手にコッケンを持つ。先程負傷した右手はポーションでなんとかゴウケツを持つぐらい回復した。
「生き残った者がいない?ならお前から初めて生き残ってやるよ、牛野郎。さあ、ここからは死の舞踊を披露してやるから付き合え」
コッケンに魔力を流し力を解放させる。それを見た牛野郎は笑う。
『ハハハハハ、オモシロイ。ヒサシブリニホンキデタタカエソウダ』
「舞い散れ、コッケン!!魔力暴走!」
ドス黒い魔力が形状変化し数千の針が、
『身体能力向上・魔法強化』
魔法を唱え、牛野郎の攻撃に備える。最初から数千の針に頼ってなどいない。単なる魔法の詠唱の時間稼ぎ。
『ウオォォォオオ、コザカシイ』
「まだまだまだっ!」
コッケンを腰の鞘に戻し、ゴウケツを両手で持ち、スキル乱れ切りの連続使用を行う。
「ああああああああああっ!!」
『ウオォォォオオオオオッ!!』
周囲の木や草が剣圧で吹き飛び更地になっていく。
おい、神龍の力ってのはこんなもんか?役立たずが!答えろよ、神龍。テメェの力は牛野郎も倒せないのかよ。
『ガァッ』
「うっ!」
手からゴウケツが離れ左腰から右肩まで剣で斬られる。
「いてぇじゃねーか、牛野郎?」
『マダタッテイラレルトハ。オマエノナハナンダ』
「タダノ・ケン。お前から生き残る男の名前だ。覚えておけ。そういうお前の名は?」
『オボエテオコウ。ワタシノナハ、ミノス』
「ミノス...ね。覚えておくよ、その名を。今から俺の最高にして最大の攻撃をするからしっかり防げよミノス!」
『ウケテタトウ、タダノ・ケン!』
ゴウケツを鞘に戻しマジックバックに仕舞う。コッケンを鞘から抜き、MPを全て注ぎ魔力解放をする。
「今、俺が出来る最大の力をぶちかましてやるよ。魔力一点暴走!!」
魔力解放されたドス黒い魔力が剣先に集中し、俺はコッケンをミノスに突き出す。
剣と剣がぶつかり合った瞬間、魔力が爆散する。後方に吹き飛ばされ地面に横たわる。
『マサカ、オレノブキヲハカイスルトハ。ミゴトダ...ナニィ!?』
横たわっているから良く聞こえる。というか地面が揺れている。
「ケンさんッ!!」
俺は、ユリさんに回収され
「さすがはユリさん、デスモンスターパレード。作戦成功だな」
『タダノ・ケン!!オマエトノショウブハマタノキカイニスル。モットツヨクナレ!!』
ユリさんにポーションを飲ませてもらい、軍勢から逃げる。ミノスが今対応しているだろう。
ユリさんの先導の元、森の中を進む。
後書き
次回 説教と約束
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