第14話 どーも、買出しです

前回のあらすじ


主人公 事情聴取をうける



本文



どーも、朝から事情聴取を受けたオッサンです。

今向かっているのは食料を売っている市場。今日は絶対に戦闘にならないよう俺は祈る。ずっと戦闘ばかり、休みが欲しい。でも、この街にいたらいずれユリさんの存在がバレるかもしれない。ユリさんは頭を覆うようにして、ローブを着ている。基本的に俺が交渉することになる。


ガヤガヤ、わちゃわちゃ


「いらっしゃーい、うちの肉は安いよー」


「野菜豊富に揃えてますよー」


「らっしゃい。調味料買うならコレがおすすめだ!」


すごい人混み。所狭しに露店が並んでいてとても活気がある。俺は、こういう場所が1番苦手。さっさとこの場所から立ち去りたい。


「ユリさん、こういう場所好き?」


「これだけの規模の市場は初めてですが、正直苦手です。ケンさんも苦手なのでは?」


「苦手、というより嫌い。まだ森の中の方がマシだよ。さっさと済ませようか」


「はい、大量に買い込んでおきましょう?頻繁に出入りしたくありません。この場所にいると注意散漫になりますし...」


それからというもの、俺たちは次々に露店を空にする勢いで買いだめしていく。もちろん、生物も加工食品も購入していく。白金貨20枚が食料に変わっていったが調理道具や食器を買う必要がないためそれほど出費はしなかった。目をつけられる前にこの場から立ち去って初日に訪れた道具屋へ向かう。


「いらっしゃいませ。本日はどのようなものをお探しでしょうか?」


「あっ、前にマジックバックを適性価格で販売してくれた人!今日はね、旅先に必要なもの全て買出しに来た。予算は白金貨50枚。見繕ってほしい」


「かしこまりました、別室にご案内いたしますのでそちらでお待ち頂けますでしょうか?」


「はーい。もし、有益な魔法の道具が有れば追加で払うのでよろしく」


別の従業員に案内された部屋でのんびり待つ。待つこと2時間。その間に昼食も頂き、ソファーで寛ぐ。


「ケンさん、この部屋豪華ですね。掃除する人どれくらい必要だと思いますか?」


ユリさんの言葉の意味は、この部屋に何人監視しているかだ。ユリさんの手の甲に数字を指文字で伝える。5人、俺たちを監視している。


「うーん、掃除って言ってもどこまでするのか分からないからなんとも言えないけど...3人ぐらいかな?」


「ふふふ、そうですね。私なら半日かけてこのお部屋を掃除しますね」


言葉の裏は、私ならこのくらいの敵を倒せる。


「俺と2人なら一瞬だね、あははは」


コンコン


「失礼します。ご要望の品が準備出来ました。ご確認お願いします」


一通り説明を受け、商品を確認する。まあ、こんなもんか。ポーション類は充実しているけど、テントは少し貧相だな。他にないのかな。


「マジックバックに全て入りそうだし、全部買うよ。全部で白金貨50枚。追加では資金を出すからもう1つ寝袋と箱型の寝床が欲しいかな、用意出来そう?」


「少し値が張りますがご用意可能です。確かに50枚頂戴しました。こちらでマジックバックにお入れしましょうか?」


「自分達でやるから大丈夫。少し待ってて」


2人でマジックバックに仕舞う。追加の寝袋と箱型のテントは、白金貨15枚。支払いを済ませて店を出る。尾行は...いないな。


「よし、これでやっと旅が出来る。身分証は別の国で発行しよ?本は貴重で数点あったけど今必要じゃないしね」


「本に関して、少し気になっていましたがあまり役に立ちそうにありませんでしたね。どこに行く予定ですか?」


「とりあえず森かな。そこで神龍に負けないぐらい訓練したい」


門を抜け、外道を歩くこと数時間。周囲を確認し、森の中に入る。


「いやー、森の中は危険だけど何故だか安心するね」


「ふふふふ、きっと楽しことがたくさんありますよ。地図によると、森は広大でキサラ法国などが隣接しているんですよね。当分森での生活になりそうです」


「法国か...人種史上国家だっけ?獣人の国もあるんだよね?争いが絶えないとかなんとか。気にしても仕方ないし、今日はひとまず寝る場所を決めよう」


さてさて、どんなことが待ち受けているのやら。




後書き


次回 訓練

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