第13話 どーも、事情聴取です

前回のあらすじ


主人公 神龍にボコられる 



本文



どーも、神龍にボコられたオッサンです。

鍛冶屋を出た後、適当な店でご飯食べて宿に戻り爆睡しました。いやー、本当に疲れたよ。スマホで俺とユリさんを鑑定したけどレベルアップはしていなかった。ただ新しいスキルが追加されていた。


鑑定結果:

◆名前 ユリ

◆種族 エルフ

◆性別 女

◆年齢 19

◆Lv 18

◆HP 360

◆MP 900


◆スキル

生活魔法 精霊魔法(水・風) 身体能力向上 隠密 索敵 弓使い 治癒 細剣使い 自己治癒向上 NEW→龍眼化 血の乱舞 魔力障壁


鑑定結果:

◆名前 タダノ ケン

◆種族 人間

◆性別 男

◆年齢 31

◆Lv 18

◆HP 500

◆MP 355


◆スキル

生活魔法 身体能力向上 隠密 索敵 治癒 乱れ切り 豪剣使い 死の舞踊 自己治癒向上 NEW→魔法強化 見切り 魔力障壁


きっと神龍との戦闘でスキルを習得出来たんだろ?俺はこの痛みを忘れないからな。神龍、お前たちの都合で動くなんて思うなよ。


「ケンさん、おはようございます」


「おはよう、ユリさん。昨日もぐっすり寝たね」


「はい、毎日身体を酷使してますから。本当に充実していますね...ふふふ」


朝食が運ばれてくるまでに支度を整える。


「ケンさん、忘れ物はありませんよね?剣...忘れてますよ?」


チッ、放置していこうと思ったのに...


「剣を帯刀するのはいいんだけど、少し重くなるからとりあえず街の中は短剣だけ装備しておくよ。ガンツさんの力作だし、例外は除いて早々壊れることはないと思う」



コン、コン、コン



「うん?朝食を頼んだ時間より少し早いな...」


「ケンさん...外に兵士がいます」


話を聞かない限り何も始まらないし、扉を開ける。そこには、兵士が2人居る。


「失礼、私たちは巡回している兵士の1人だ。君たちに聞きたいことがあり参上した。話を聞いてくれないか?」


「どうぞ、お入り下さい」


「感謝する。そ、その短剣は?」


「何かご存知ですか?」


「いや、私もガンツ氏が打った剣を所持している。中々売ってくれなくて短剣のためだけに努力したものだ。あはは」


「この短剣、良ければあげますよ。ガンツさん店を閉めるそうで良いタイミングで買うことが出来たんです」


「いいのか?ありがたく頂戴しよう...すまない。話がそれてしまった。ここに来たのは2日前以降に門を通った者たちに確認をしたいことがあるんだ」


「はい?確かに俺たちはこの交易都市に2日前に来ましたが...たくさんの人が出入りしてのでは?」


「そうだな。黒髪が珍しかったから門兵も覚えていたのだろう。君たちは、外壁の外で起きた事を知っているか?」


「黒髪って少ないのは知っていましたが...うーん、外壁の外ですか?道中、子鬼ゴブリンの死体を発見したくらいですね。初めは人が倒れているのかと思って近づいたのですが、連れが気分が悪くなってしまったのですぐその場から立ち去りました」


「そうか...ガンツ氏は人を見る目がある。君たちに怪しい点はないな」


「はあ...えーと、なんかあったのですか?」


「ああ、説明不足ですまなかった。この街の騎士が森の中で発見された。それと商人が行方不明らしい」


「うわ、物騒ですね...」


「そうだな、君たちも気をつけろよ。この短剣感謝する。それでは失礼する」


入れ替わるように宿の人が朝食を持ってきて、俺たちはご飯を食べる。もちろん、防具の結界を展開させる。


「あの兵士たちは、他の者にも聞いて回っているのでしょう。きっと、奴隷商人とあの騎士たちのことですよね?」


「ああ、きっとそれだな。それと騎士で思い出したんだが、地図を持っていた騎士がいたろ?確かこの国の名はサツキ王国。そしてエルフ国の名はカンナ王朝だ。ずっと引っかかっていたんだよ...」


「何か分かったのですか?」


「たぶん、俺が前にいた世界の和風月名と時計が関係している」


「私、本で読んだことがあります。1000年以上前に勇者が現れ、魔人に支配されていた世界を救ったこと。それも関係していそうですね」


紙とペンを取り出し円を書く。そして、和風月名と時間を照らし合わせながら記入していく。


「ユリさん、スマホを見ながらこの紙を見て照合してみて」


「あ、これは...中心が魔人領。その周囲に12の国。まるで時計の数字に沿って国がありますね。ケンさん、大発見ですよ!ケンさんと同じ世界から来た勇者が12の国に分けそれぞれに名前を与えた。信憑性が高い考察です!」


「まだ断定は出来ない。そもそも1000年以上まえの出来事だ。ただ、俺がいた世界...しかも俺が生きていた国の言葉なのは間違いない。多少、言葉が崩れて名前が違う国があるが」


「ケンさん、勇者が現れた国はシーワーズ帝国です。なにか、勇者の手がかりがありそうですね」


「うーん、そもそも俺は勇者じゃないし別に関係ない。ご飯も食べたし食器片付けて食糧調達に行こう」


深く考えても答えが出ないものは先送りにして、今出来ることをする。俺たちは、宿屋を出て市場がある方へ歩き出す。




後書き


次回 買出し

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