【脱出】
もうアスカと京太郎は、超超巨大な宇宙船の船外にいます。
ザクザクした月面の小さい岩が無数にある、緩い坂道を上っています。
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少しだけ上に、岩石が突き上がったようなところを抜けると、そこは、途轍も無い広さの平原でした。
「大昔の、クレーターの跡ね」
アスカが、言いました。
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何か、小さくてボンヤリした無数の光が、飛び交っているようです。
「あれは、鬼神や魔神、半神たちね。私たちを、誉めているのよ」
小さな光たちが、アスカと京太郎の体内にも、入って来ます。
すると、身体のどこか、奥の方から、暖かい、それでいて力強い力が、京太郎の身体を、いっぱいにしました。
「私たちと一緒に、生きたがってる。地球に帰りたがってるのよ」
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アスカが、京太郎のすぐ前に、立ちました。
京太郎は、なぜか当然のように、アスカの身体を抱きしめます。
アスカも、京太郎のうなじまで、両腕を回して、京太郎を抱きしめました。
「行くわよ」
スッ
無音で2人の身体が浮き上がり、ボンヤリと光ってから、さらに物凄い速度で上昇し始めました。
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元々、今回の接近で、月と地球は近くなっていましたが、驚くほどの早さで、地球が大きくなっています。
「成層圏に、入るわ」
次の瞬間、抱き合ったアスカと京太郎は、物凄い風の中で、猛烈な速度で落下し始めました。
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