【サングラス】
ずっと、ずっと走ります。長い長い通路が、やっと終わりました。
行き止まりに見えた白い壁が、縦長の入り口になりました。
############################
「ハァ、ハァ。ここまで来れば、もう大丈夫じゃないんですか?」
サングラスの1人が、言いました。
「阿修羅は、一度狙った獲物は、絶対に逃さない。もう、来るわ!」
それを聞いた京太郎とサングラスたちが、ドームの中央付近まで走ります。
アスカも、当然のように付いて来ました。
「あっ!」
さっき通ったばかりで、今はドームの内壁になっていた部分が、消し消えて、大きな穴ができています。
そして、大穴のすぐ前面に、いました!
身長4mはありそうな、阿修羅です。
############################
「サングラスの2人、すぐに向こうの出口に走って、そこから逃げてください。お願い!」
「アスカ?」
「もう、あなた方では、力不足、戦力にならないんです!」
京太郎が、アスカの顔を見ます。
アスカの、とても綺麗で、とても大きい両目が大きく開かれ、涙が、涙が零れています。
そして、その涙は、ドームの固い床に、大きな水たまりを作りました。
############################
「私が、協力します」
「!」
「これは、SLCVEFG-4309号」
シュ
頭の上の方から、綺麗で胸の大きい女の子が、一回転しながら落ちてきました。
身体にビッチリ食い込んだ、レザー製の黒い服を来ています。
ハイレグの、かなりエゲツナイ水着にも、似ています。
「アスカ様、アスカ様が京太郎を、心の奥の奥まで好きなように、私は、ちょっとマヌケで愉快な、サングラスの2人が好きになりました。ここで一緒に戦い、一緒に死にます!」
############################
ドームを抜け出したアスカと京太郎は、あれから随分、走っています。
「あそこに上向きの開口部があるわ。私が先に飛ぶから、京太郎も続いて!」
############################
物凄い速度で、上に飛んだアスカと京太郎は、一瞬で開口部の上の出口から、その先のフラットな床に着地しました。
ズズズ・・
深い深いところで、とても悲しく寂しい、鈍い音がしました。
サングラス、あの11号、ぽの256号。
そしてSLCVEFG-4309号が、死にました。
############################
2人はどちらも、私立龍門渕高校の卒業時席次1番、龍門渕物産でも優秀な成果を挙げました。
2人のご両親にとっては、さぞ自慢の息子だったでしょう。
言葉が、見つかりません。
「京太郎、この超超巨大宇宙船に入って来た入り口、覚えてるでしょ。あそこから、船外に脱出するわよ!」
アスカが、言いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます