【阿修羅】
阿修羅は、右に左に、あるいは上下に、目にも止まらない速さで、迫って来ています。
「あの阿修羅は、眉間と両肩。両手、それに2本の太ももに、超強力なレーザービームを内蔵しています。目には、見えません。気が付いたときには、胴体が両断されます!」
超強力なレーザービーム・・
京太郎、どう反応していいか分からず、身体が固くなっています。
「サングラスさん!すみませんが、お2人では力不足です。あちらに、開口部に続く道がありますから、そっちへ逃げてください」
「はい」
サングラスたちが、走って行きました。
############################
「京太郎!」
「なに?」
「私も、サングラスたちを追います。彼らの足は速いけど、そうも言って、いられないから。飛翔魔法で、サングラスさんたちを、両腕で担いで飛びます!」
「京太郎は、私の家にあった無数の、超古代の書籍をいっぱい読んだでしょ。だから、大丈夫」
「京太郎たった1人に、ここを任せます!」
############################
そうまで言われたら、やらないと京太郎じゃないです。
「って言われても・・」
京太郎の動きに、統一感がありません。
「何をやっているのです、京太郎!」
「?」
「私です。SLCVEFG-4309号です!」
「ってお前、テレパシー使えるのかよ」
「当然です」
############################
「京太郎。アスカ様が仰っておられた、無数の書籍のことを、思いなさい。ならば、自然と、できるハズ」
############################
阿修羅が、もうすぐそこに、近づいています。
「いくか。あの呼吸法!」
京太郎の尾骶骨の奥底から、漆黒の力が、右向きの回転力で回転しながら、京太郎の臍(ヘソ)の上、横隔膜を、熱い塊が通過し、そして海馬から脳内を通って、やがて美しく、そして寂しくて悲しい曼荼羅を描きました。
「よし。行くぞ!」
京太郎が、激烈な右ストレートパンチを、放ちました。
そして。阿修羅の分厚い胸の、ちょうど心臓部を直撃!
「ハートブレイクショット。一瞬、お前の心臓は停止する!」
############################
阿修羅が、物凄い勢いで吹っ飛び、さっきの開口部から、下に落ちていきます。
「良くやりました、京太郎」
SLCVEFG-4309号が、京太郎を褒めています。
「さぁ、アスカ様が行かれた方向へ、全速力で翔びなさい!」
「おう。スタコラッシュ!」
京太郎が、飛翔魔法で、一目散に飛んで行きます。
############################
アスカと京太郎、2人が風のように、飛んでいます。
「アスカ、俺もサングラス1人、受け持つから!」
アスカが後ろも見ずに、1人投げ渡します。
「I gotcha!」
京太郎が、受け取ったサングラスを、左腕でしっかりと保持しました。
「京太郎、あそこ!あそこの開口部から下に、全力で落下するわ!」
############################
アスカが先、その後を京太郎が、重力の自由落下を超える猛烈な速度で、真っ逆さまに飛んでいます。
5秒、4秒、3秒、2秒、1秒!
そして90°急旋回!
広い、明るい通路に出ました。
「ハァハァ!死ぬかと思いましたよ!」
サングラスの1人が、大声で、でも力無く言いました。
「さぁ、あそこよ。あそこにドーム型の巨大爆弾実験場があるわ」
「走るわよ!」
京太郎も、サングラスたちも、気が軽くなって、飛ぶように走っています。
「月面ですから」(SLCVEFG-4309号)
############################
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます