【あの夏の想い】
少し歩くと、小さな部屋に入りました。
「永遠の輪廻の王女様、アスカ様。途轍もなくお久しぶりです。26億4372日ぶりです」
声の方を見ると、直方体の黒くて固くて薄いものが1つ、浮いています。
「黒くて固い?京太郎さん、それは失礼ですよ」
はぁ、すいません。
「本当に久しぶりね。SLCVEFG-4309号」
「はい、アスカ様。私はいつも、いつまでも貴女の、召使い主任です」
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「じゃ、サングラスさん。例のものを」
「はい!」
サングラスの1人が、まるでフロッピーディスクみたいに薄いディスクを、黒い背広の下から取り出しました」
そして、アスカに手渡します。
「SLCVEFG-4309号」
「はい」
すると、アスカのとても細くて白くて、切ない手のひらから、ディスクが消えました。
「はい。これで、月の落下は停止しました。今は、元の位置に戻りつつあります」
「えっ、これだけで?」
「私、SLCVEFG-4309号は、いつでも完璧に正解です」
「終わったー・・」
皆んなが、力なく、それでいて嬉しそうに、笑っています。
アスカも、そうです。
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「さぁ。月の軌道から脱出するための小型宇宙船が、あちらにあったハズです」
アスカが、先に歩き出しました。
京太郎も、サングラスたちも、足取り軽く、歩いて行っています。
横の方に、何か断崖絶壁のような、下方向への大きな空洞があります。
「ん?」
「あれは!?間違いないわ。あれは、この超超巨大宇宙船に普段は隠されている、恐るべきモノ。狂戦士です!」
アスカが、珍しく叫んでいます。
「来たわ!」
絶壁のような、底しれぬ地下の地下から。ソイツは、現れました。
「これは、まるで阿修羅!?」
京太郎も、戦慄しています。
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