【超超巨大宇宙船の中】

超超巨大な宇宙船の中に、入りました。


入口は存在せず。ただ無限に続く高さの、白銀の塔のように、見えました。


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「高さだけで、600mよ」

アスカが、言いました。


600m?634タワーより、少し低い程度。

恐ろしい、途方もない寒さを、感じました。


そして

音もなく、縦長の扉が、開いていきます。


何というテクノロジー、地球との差が億万年にも、思えてきます。


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超超巨大宇宙船の中は、途轍もなく広い部屋でした。


その端の方、巨大で無機質な壁の近くに、ベッドがありました。


粗末なベッドです。


地球の病院の病室にあるベッドに比べれば、遥かに贅沢です。


でも、粗末だと、京太郎は思いました。


「Appollo 20の宇宙飛行士が、持っていったのよ。この上で寝ていた、可愛くて悲しい女の子を」


アスカが、言いました。


「その女の子も、この超超巨大宇宙船の奥の、ずっと奥の部屋では、楽しい日々を過ごせていたのだろうか」


京太郎、今さら考えても、仕方のないことを考えています。


「さあ、行きましょう」


出口の。いえ入り口のドアが、音もなく開きます。


アスカを先頭に、4人はドアの中に、飲み込まれるように、消えていきました。


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通路は、ずっと向こうまで続いています。


照明は間接照明のようで、暖かい気分になる、淡い光です。

でも、その中に、永遠の輪廻の、たった1人で寂しくて悲しい、永久の冷たさを内包しています。


アスカは、音もなく、綺麗な姿勢で、歩いていきます。


時折り、左に、あるいは右に、扉がありました。

なんのための部屋か、京太郎には分かりません。


時に左に、そして次は右へと、いったん立ち止まって、曲がります。


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大きな、とても大きな部屋に、着きました。


そこには、大きな彫像が。いくつもあります。


でも、それらは例外なく、身体の途中で、この宇宙船の冷たい床に、埋もれています。


ある者は、ウルトラマンのように大きく、強く、筋肉隆々です。


ある者は、天使のような羽すら石のように凍らされ、片方の脚の太ももの付け根付近から、床と一体化しています。


「この者たちは、神々よ」

アスカが、言います。


「神々?」


「この超超巨大宇宙船の外にいた、あの大蛇も、その1体よ」


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もう、何を言えばいいのか、分かりません。



「京太郎、あの神々を、自由にして、助けてあげましょう」


「この超超巨大宇宙船の、無数の乗組員の中には、悪魔の心を持つ、心の悪い科学者たちがいたのよ」


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「こう、するのよ」


アスカはそう言うと、神々の1体に人差し指を向けます。


すると、何ということでしょう。


その神が、無数の光る微粒子になって、淡く光って、消えていきます。


「さあ、京太郎も」


「うん」



京太郎も、似たような姿勢で、心を無にします。

いえ、無と言うより、果てしない輪廻の、その果への、できるだけの悲しみと、強さを込めました。


「京太郎。上手よ」


さっきみたいに、指さした神の1体が、淡く光って、消えていきました。


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京太郎とアスカは、何度となく、数え切れないほど、同じことを繰り返します。


・・


やっと、全ての神々が、消滅しました。


何もなくなった部屋は、やたらがらんどうで、空疎に思えました。


でも、良いことをやったという気持ちが、とても良いです。


「ワカ、アスカ様!素晴らしいです。私たちは見てるだけでしたが、何か昔、蜘蛛の巣に架かったオニヤンマを、助けたときを思い出しました!」


サングラスたちが、とても嬉しそうです。


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