【アスカ!着陸】
「ハーイ!みんな聞こえてるーー?」
うわっ。
京太郎、思わず口に出して言いそうになりました。
透華からの通信です。
「着信状況、良好です」
サングラスが、即座に返答しました。
「月が近くなってるから、そろそろ最終アプローチでしょ。ビシっと決めなさい!世界各国に放映権売ったから、ウチは大儲けだけど、それなりの結果を出さないと格好悪いでしょ」
「お嬢、お任せください!」
さっきとは違うサングラスが答えました。
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「そろそろ月の裏側です。さっきのドクさんの発明、付けたままだと思いますけど、月の裏側もハッキリ見えますよ」
確かに、真っ暗なハズなのに、真昼のように月面の、地上が、見えています。
そして
「ありました。月面の超超巨大宇宙船!」
丸いのかと思ったら、凄く細長いです。
「全長1,200kmだそうです」
サングラスが、言います。
「That's heavy!」
マーティーです。
「1キロというと1トン。確かに重いな」
京太郎、またアホなことを考えています。
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「何だあれは!」
サングラスが、叫びました。
「あれは!?」
超超巨大な宇宙船のすぐ横に、巨大なものが、スクリーンに映っています。
「あれは、大蛇!」
「That's Heavy!」
マーティー。とうとうキめてくれました。
こっちの宇宙船の皆んなも、龍門渕豪邸の居間の皆んなも、大爆笑。もちろん透華も、腹を抱えて、何もなかったかのようにしてますが、大爆笑しています。
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巨大な大蛇は、上半身を起こして、両腕を上げて、何かしているようです。
「あれは、まさか。天弓!」
「皆さん。すぐに脱出してください!この船が、破壊されます!」
「アスカ!?」
アスカはすぐに、宇宙船の脱出口を開けて、
スァ
と、空気のように脱出しました。
京太郎も、少しぶきっちょでしたが、うまく出れました。
そしてサングラスの2人。
「父上、母上!今から逃げます!」
なんとか、うまく脱出できていました。
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アスカは、宇宙靴の底部に付いている噴出装置を、上手く操作して、風のように落ちています。
京太郎も、なんとか、うまく落ちています。
月の重力は、地球の1/6とは言え、まさにこれは重力の自由落下です。
「怖い」
京太郎は一瞬、そう思いましたが、なぜか風のような斥力で、案外ゆったりと落ちています。
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「!?」
何か、鈍い音がしたような気がします。
月面上とは言え、宇宙です。音なんか聞こえるハズは、ありません。
京太郎は、振り向きました。
そこには。天弓の無数の恐るべき弓によって、まさに紙細工のように破壊された宇宙船がありました。
「ついさっきまで、乗ってたのが・・」
同時に、アスカの恐るべき、冷静すぎる判断力に、心から感動しました。
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「月面まで・・500m、200m、100m、50、30!」
足の裏の噴出装置を上手に使って、なんとか上手く、着地できました。
サングラスたちも、同じようです。
アスカは。当たり前のように着地して、もう超超巨大宇宙船に向かって、歩き始めていました。
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「あの大蛇ね」
「うん」
「さっそく、動くわ」
「分かった」
「サングラスさんたちは、あの超超巨大な宇宙船の入口近くで、適当にいい立地、確保しておいてください」
「分かりました。アスカ様!」
さっそく、サングラスたちが、超超巨大な宇宙船の方に、軽やかに走っていきます。
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「京太郎、あなたは、この丘の上の方、大蛇の正面まで行って。そこでタイミングを測って、あの時の技を使って!」
「分かった」
アスカは、ここから下の方、少しだけ盛り上がって、突然崖になっている場所に、風のように走っています。
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京太郎は、少しだけ走りにくそうに、でも走っていきます。
あの丘の上へ。
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大蛇の正面まで、来ました。
「何って言うデカさなんだ。左右1km以上は楽にある」
「よし」
足場を固めました。
アスカは、と見ると、大蛇相手に見たこともない技を、放っています!
「ズオサイダル・テンデンジーア(盲死荊棘)!」
暗黒の蔦が月面から湧き出て、恐るべき棘と拘束力によって、大蛇の動きを、効果的に止めています。
【アビゲイル】
「冥界の預言者」と呼ばれる暗黒の僧侶(クレリック)。約100年前に死亡したイーカル・モンローに変わって四天王になった(ただし、そのあたりのことは描かれていない)。D・Sに匹敵する年月を生きている[20]。彼にもまた秘密が隠されており、彼がD・Sにつき従っていたのにはある理由があった。最初に解いた破壊神の封印が精神であったため、最初に精神を支配され、その復活に手を貸してしまうが、メタ=リカーナでD・Sと戦ったことで破壊神の呪縛から解放され、「方舟(KCG)」で四天王の立場に戻り、以後D・Sの参謀役として復活する。しかしD・Sが封印空間に落とされたため、天使達の猛攻の中、ルーシェの言葉に従いKCGの霊子動力炉を使いD・Sを復活させようとする。
破壊神に操られている間は沈着冷静にも見えたが、実はコミカルな性格であることが後に判明。
「背徳の掟編 最終節」では悪魔の「反・創世(ネガ・ジェネシス)計画」を阻止するために解かねばならない「封印」があるとされる[21]月面上に姿を現している。
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「よし。俺も」
京太郎は、サーニャを葬った、あの孤独で悲しい技を、使おうとします。
「同じ詠唱句は、さすがにもう、失礼かな」
「ハロウィーーーン!」
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京太郎が放った、たった1人の、とても孤独で、寒くて冷たくて、でもマグマのように熱い光のビームが、大蛇の眉間にヒットしました!
大蛇の眉と眉の間に、ポッカリと暗黒の、小さな穴が空きました。
そして脊椎、尾骶骨、そして尻尾の先の先と大蛇を貫いて、月面から宇宙の闇の闇へと、消えていきました。
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「やったー!」
いつの間にか、近くまで戻っていたアスカと、ハイタッチ!
「とても良くなっていたわ。京太郎」
「ありがとう」
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超超巨大な宇宙船の入口近くにいたサングラスたちも、
「ワカもアスカ様も、本当に素晴らしかったです!ワカの技、もしかして新技ですか?」
実はそうでもない京太郎も、そしてアスカも、サングラスたちの方へと、近寄っていったのです。
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