【アスカ!天上の舞】
熱い緑茶を飲んでいます。
スクリーンには巨大なUFOが写っています。
あの中にもエイリアンが、いっぱい住んでたんだな・・。
「それが今は空っぽ。俺達だけを狙ってやって来てるってわけだ」とオッサン。
俺たちもエイリアンも別に憎み合ってないのに・・
スクリーンを見てると、囚われのエイリアンたちの叫びの声が聞こえるような気がしました。
意外とみんな淡々としています。
時々トイレに立つ人がいるだけです。
「皆さん、落ち着いていて、いいと思います」と深雪。
「アスカさん、頑張ってくださいね」
「はい」
ニッコリと返すアスカ。
「龍門渕食品のホワイトスイートチョコとティーはいかがですか。美味しいです」と深雪。
ありがとう。深雪とアスカ。
2人でチョコを食べながら、大スクリーンを眺めています。
「来ました!南東の方角からウィッチの編隊がこちらに向かっています!」
とうとう来た!アスカは・・?
アスカはこちらを見てニコッと微笑むと、当たり前のことのように立ち上がり、当たり前のように歩いていきます。
庭まで行ってこちらを振り返るとファッと飛翔!
龍門渕邸の一番高いところに移動しました。
大スクリーンが切り替わり、アスカが写っています。
ずっと向こうの空に巨大なUFO、その手前に白く点々と、ウィッチーズが見えています。
空が、曇ってきました。
アスカはウィッチもUFOも見ていません。いつもの山や川を見ているようです。
フワッ
何の予感もなくアスカが踊り始めました。
片足を軸に全身を使って優雅に舞います。
いつの間にかアスカの衣装が羽衣みたいになっています。
風を受けて羽衣が膨れ、まるで天女の舞のようです。
「WAO!イッツゴーージャス!」
ドクです。
「アイソーザット!アイソーザットフェン・・」
マーティー・・思いつかなかったようです。
皆もアスカの舞いをうっとりと見ています。
気がつくとアスカの周りにうっすらと燈が1つ、2つ、3つと点っています。
「アスカの奴あれをやるつもりか」
オッサンが言います。
「昔一回しか見たこと無いが、強力な古代鬼神を複数召喚しながら巨大呪文を詠唱し、同時に放つ。極めて困難な技だ」
その間にもアスカの周りの燈は増えています。
ついに、アスカの周囲を燈が完全に取り囲みました。
あっ?1つ1つの燈をよく見ると、裏切られ絶望のあまり目が飛び出さんとしている男、臨月の痛みに叫ぶ女、男に襲われ泣き叫ぶ女・・苦痛と絶望と哀しみに満ちた男女の苦悶の表情が見えています。
何十回も何百回も転生して、苦痛と絶望の人生しかなかった奴らの底抜けに暗い憎しみが、転じて鬼神になったのだ。
「やばいぞ。このままウィッチたちやらせると。瞬時に全員食い散らかして血の霧が降る」
血の霧・・見たくない光景のかなりNO.1です。
そのときにはアスカの上空に、ウィッチーズが集結していました。
サークルフォーメーションから一気に撃ってくるつもりのようです。
その刹那!アスカの身体が上に伸び、両腕を広げて上に向けます。
「テスラ!」
ズッドドドドッドドドドドドドオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーン!
凄まじい閃光と雷鳴です。思わず目をつぶって耳を塞いでしまいました。
その瞬間、すべてのウィッチのユニットは破壊されていました。
雷が鳴り止んだときには、鬼神たちが、すべてのウィッチを背後から拘束していました。
アスカの服がさっきまでのに戻っていきます。
鬼神たちはウィッチを手早く邸内に投げ込むと、ぼんやりになり、消えました。
スタッ!
何事もなかったかのようにアスカが庭に降りて来ました。
集められ拘束されたウィッチの一人に、「お怪我はありませんか?」と声をかけます。
ウィッチは無言。
アスカはこちらを見ると靴を脱いで、さっきまで座ってたところに戻ります。
「お疲れ様でした」
深雪が言います。
それが合図になったように、みんなが
「スゲーーー!いや綺麗だったわ。優雅だろあれ!凄すぎて目が離せなかったよ!」
など、アスカへの大称賛です。
「アースーカ!アースーカ!アースーカ!アースーカ!アースーカ!アースーカ!アースーカ!」
みんなウキウキです。
すごーーい!
アスカ!天上の舞。
そのうち放送予定!お楽しみにーーー
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