【アスカ!休息】

長ーーーい食卓の周りに、みんなが座っています。


一番奥は、当然透華。以下、深雪、アスカ、京太郎、いつものメンバー、サングラス部隊。


ひと仕事終わった安堵感が、みんなに溢れています。


お昼ごはんは、真っ白ごはんと、永谷園のお茶漬け海苔。


「んーーー。龍門渕の食事にしては、質素だなーー?金持ちは、質素っていうし、そんなもんか」


勝手に納得してる、京太郎です。


「まあ、ごゆるりとなさって。でも、忘れてるかもしれないけど、今、この瞬間も月は、落ちてきてるのです」


そうだ。いろいろありすぎて、ホッとし過ぎてたな。

反省する京太郎。


「それに、アメリカと欧州が、何か動き始めた様子。午後には、仕掛けてくるでしょう。すでに、この邸を中心に、第3防衛戦まで構築済み。強化チタン合金で完全防備した機甲師団を3個大隊、5個中隊、展開しています」


月が落ちてるのに、地球人同士で、何でそんな内輪もめみたいなこと?


「連中は、アスカさんが死ねば、落下が止まると考えてるらしいんですの」


アスカがいなくなれば止まるとか、そんな簡単なわけじゃ。


「とーーぜんですわ。アチラの上層部は、すっかり、ランドオブコンフュージョン。おつむが、馬鹿になっていますの。日本政府も、巻き込まれて。それに今は、民主党政権ですからね。国が、わたくしたちの敵なのです」


「第一、そんな簡単な話なら、わたくしとアスカさんが、地球の反対側に行って、インパクトの刹那、龍門渕の超巨大シェルターに瞬間移動すればいいだけ。我が家のシェルターは、ユカタン級隕石の落下にも耐えられる構造と備蓄がございます。たとえ人類が滅んでも、わたくしたちは無事!新しい世界を作っていけます」


それって、ひょっとしていいかも。

京太郎ちょっとだけ考えます。


「でも、それじゃあ駄目なんです。夜に月の出ない世界なんて、許せませんわ!」


ビシリと、言い放つ透華。


「酒も、まずそうだな」


ポツリと、オッサン。


夜真っ暗な世界かぁ。チカンなら喜びそうだけど興味ないし。第一歩きにくいよな。


「必死なアチラは、ワシがエリア51に残してきた技術を総動員するじゃろ」とドク。


「ま、肝心なものは、ワシのここにあるんじゃがな」と、自分の頭を指差します。


「ワシの予想じゃが、UFOからワシが解明したテクノロジーと、あちらさんの古代魔法とやらを統合して、巨大な何かを作っていたハズじゃ」


ザッツヘビー!・・マーティー。


「ま、最初に攻めてくるのは、この国の軍だろ。ネウロイとかいう古臭い技術を、しょーこりもなく、研究していたからな。その結果を見て、総攻撃だ」


また日本人と、戦うのかよ。

いちぬけしたい。トホホな京太郎。


横に座ってるアスカを見います。


アスカも、ニッコリ微笑んで、「頑張りましょうね」


「お兄ちゃん頑張って」と深雪。


「期待されてるな」とオッサン。


せっかくの緊迫した雰囲気が、台無しです。


午後2時を、過ぎました。


みんな、思い思いにくつろいでいます。


ときおり、サングラス部隊が、数名動く以外は、風の音ぐらいしかしいません。平和だなぁーー。

そのとき!


アスカ!休息。

放送予定。お楽しみにーーー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る