【アスカ!氷の命】
2人をここに連れてきた俺は、さっそく呪われた術式を開始した。
裏の鳥居の中には、洞窟がある。その奥には、年中溶けない天然の氷柱がある。
そこにおキヌを連れて行き、一気に氷の中に封印した。
おキヌには反魂の術をかけていた。あれは、俺の一生一代の技だった。
おキヌが早く死ぬと感づいていた俺は、性交のたびに、随所の秘孔に気を込めていた。
「3日、ここに封じておけば、生前と変わらんおキヌが戻ってくる。せめて数年、俺とアスカと共に過ごしてくれれば・・」
だが、俺の気が浅かった。
身内に深く撃ちこむのには、ためらいがあったのだろう。
2日後、おキヌは脱走した。
あとは、お嬢様もご存知のとおり。
村に乱入したおキヌは、次々と村人をゾンビ化していた。
俺は、おキヌの居場所まで行き着くと、そこはもう血の匂いで、鼻がひん曲がりそうだった。
気がつくと警察、生き残った村人たち、そしてマスコミ。
「終わったな。ローカルでも、これを放映されては、人喰い那岐野」
おキヌは、半分元の姿だったが、村人を食いちぎる姿、我ながら恐ろしい術を施したものだ。
俺は、気を限界まで込めると、ほら昨日お主に放った技、あれを繰り出したのだ。
「カメハメハーーーーーーーーーー!」
陽の物にはさして効かぬが、陰の物は存在を滅する。
「ちょっ、そんな危険な技、初対面の高校生にかけたんですか?」
「心配ない。当たれば、意識不明になるくらいだ。当たればな」
現に昨日、お前は交わしたではないか。
「結果オーライってことか。まぁいいか、生きてるし」
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おキヌに近づくと、もうおキヌは消えていく所だった。
「すまんすまん、哀れなお前を完全に消すことが、俺にできるすべてだ」
ぐっと気を込めると、アレは少しずつ壊れて、無くなってしまった。
「おキヌが、無くなって、しまった」
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翌日からは、もう我等は、人扱いされなかった。
村人は引っ越していた。
たった1つ、繋がりがあったのが、昔からお仕事を貰っていた龍門渕家だ。
「そういうこと。これまでだって、お金持たせて行かせても、結界かけてたんでしょ。サングラスたちは入れなかったわよ」
「そんな仕事もせずに、金だけ貰うわけにもいかない」
俺にも、意地があった。
龍門渕高校が、この子を無料で入学させるとのことだが、その節は世話になった。
入学試験も免除でいいとのことだったが、我が家の人間には、入学試験など笑止。
だが、どうしても清澄高校に転校したいと言い出した。
言い始めたら、頑として聞かない。あの子の母親そっくりだった。
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俺の話は、これで全部だ。全容を知るには、全然足らないだろうがな。
全容。もうお腹いっぱいです。
ご苦労様。それであなたが転校して、出会ったと。きょうちゃんと。
はい。アスカが答えます。
ってなことでアスカ!氷の命。
放送予定!おたのしみにーーー。
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