【アスカ!朝食は鮎】

「朝ですよ、皆さん!お起きなさい!」


「何なんだか」


襖が開いて、朝の光が飛び込んできます。


「あれ?龍門渕の?」


「何ですの!」


「透華様、お嬢様ーーー!」

サングラスたち、必死です。


「何でここに。そうか、Googleマップとか使ってたもん。GPS、GPS」


襖全開にすると、じっと書架を見ています。


本は、ほぼ全部下に落ちていました。


「あなた、ひょっとして全部?」


「4時ぐらいまでに一応。よく分かんない文字の本も、なぜか読めた」


############################


透華は、クルッと振り向きました。


「さぁ朝ご飯の支度をなさい。ってか男ども臭い!お風呂入ってきなさい」


サングラスは臭くないと思うけど、まあとにかく、京太郎も一緒に風呂に入りました。


「朝風呂って、いつぶりだっけ?なんか、すかーっとして気持ちいいーー」


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朝ごはんは、鮎の塩焼きとご飯とたくあん。

朝って感じでいいです。


作ったのは、またもやサングラス部隊。

アスカが、あれこれ指示したらしいですが、美味いです。


食卓も1本杉からの切り出し。

貧乏なのかブルジョアなのか、プチブルにも引っかからない京太郎には、よく分かりません。


############################


「全員、揃いましたわね」


透華さん、恐いです。

でも、全部本読んだら、話聞かせてくれるって約束だっけ。

聞き役とか、楽勝。


「父さん?」


「いいんだアスカ」


那岐野狂蔵さんが、話し始めました。


改めて見ると顔こえーーーーー。ただれてるし。


「今日は、ご足労頂いて、申し訳ない。透華様」


「前振りはいいわ」


「では、さっそく」


緑茶をぷはーっと飲んで、狂蔵は語り始めました。


「すべての始まりはあの日。この子が生まれた日だった」


「これの母は看護婦だったが、身体が弱く、産後の肥立ちが悪かったのだ」


「その日も、悪霊狩りに行ってた俺に連絡が入ったのは、ずいぶん遅くなってからだった」


「あの病院には、軍の777部隊が実験に使った遺体が安置してあって、その一部がゾンビ化したのだ」


「遺体安置所の死体も全部ゾンビ化し、病院は狂乱の渦になっていた」


「俺が行った時はもう手遅れで、施設は閉鎖されていた」


「KEEP OUT!知るか!金網フェンスを、さっそうと乗り越えた俺は、さっそく病室に向かった」


「そこには、ドロドロになったおキヌがいた」


「もう人とも、見えなかった」


「枕元で泣いていたアスカは、なぜか無事だった」


「アスカを懐に入れると、俺は、おキヌに全力で気を注入していた」


「ここさえ凌げれば!俺は愚かにも、そう考えていたのだ」


「おキヌの姿が、元に戻っていった」


「ぐったりとしたおキヌを抱え、アスカと共に、病院を脱出した」


「15年前の、出来事だ」


っっててなんか告白してますーーーー。

アスカ!朝食は鮎。

きてますーーーー。こうごきたい。

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