【アスカ!朝食は鮎】
「朝ですよ、皆さん!お起きなさい!」
「何なんだか」
襖が開いて、朝の光が飛び込んできます。
「あれ?龍門渕の?」
「何ですの!」
「透華様、お嬢様ーーー!」
サングラスたち、必死です。
「何でここに。そうか、Googleマップとか使ってたもん。GPS、GPS」
襖全開にすると、じっと書架を見ています。
本は、ほぼ全部下に落ちていました。
「あなた、ひょっとして全部?」
「4時ぐらいまでに一応。よく分かんない文字の本も、なぜか読めた」
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透華は、クルッと振り向きました。
「さぁ朝ご飯の支度をなさい。ってか男ども臭い!お風呂入ってきなさい」
サングラスは臭くないと思うけど、まあとにかく、京太郎も一緒に風呂に入りました。
「朝風呂って、いつぶりだっけ?なんか、すかーっとして気持ちいいーー」
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朝ごはんは、鮎の塩焼きとご飯とたくあん。
朝って感じでいいです。
作ったのは、またもやサングラス部隊。
アスカが、あれこれ指示したらしいですが、美味いです。
食卓も1本杉からの切り出し。
貧乏なのかブルジョアなのか、プチブルにも引っかからない京太郎には、よく分かりません。
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「全員、揃いましたわね」
透華さん、恐いです。
でも、全部本読んだら、話聞かせてくれるって約束だっけ。
聞き役とか、楽勝。
「父さん?」
「いいんだアスカ」
那岐野狂蔵さんが、話し始めました。
改めて見ると顔こえーーーーー。ただれてるし。
「今日は、ご足労頂いて、申し訳ない。透華様」
「前振りはいいわ」
「では、さっそく」
緑茶をぷはーっと飲んで、狂蔵は語り始めました。
「すべての始まりはあの日。この子が生まれた日だった」
「これの母は看護婦だったが、身体が弱く、産後の肥立ちが悪かったのだ」
「その日も、悪霊狩りに行ってた俺に連絡が入ったのは、ずいぶん遅くなってからだった」
「あの病院には、軍の777部隊が実験に使った遺体が安置してあって、その一部がゾンビ化したのだ」
「遺体安置所の死体も全部ゾンビ化し、病院は狂乱の渦になっていた」
「俺が行った時はもう手遅れで、施設は閉鎖されていた」
「KEEP OUT!知るか!金網フェンスを、さっそうと乗り越えた俺は、さっそく病室に向かった」
「そこには、ドロドロになったおキヌがいた」
「もう人とも、見えなかった」
「枕元で泣いていたアスカは、なぜか無事だった」
「アスカを懐に入れると、俺は、おキヌに全力で気を注入していた」
「ここさえ凌げれば!俺は愚かにも、そう考えていたのだ」
「おキヌの姿が、元に戻っていった」
「ぐったりとしたおキヌを抱え、アスカと共に、病院を脱出した」
「15年前の、出来事だ」
っっててなんか告白してますーーーー。
アスカ!朝食は鮎。
きてますーーーー。こうごきたい。
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