第2話 不穏、それはA級

「あぁー食べた食べたー!」

「お前って本当に女子っぽくないよな。」

「おうなんだとまだ御歳18の女の子に

 ケチを付けるつもりかあぁん?」

「それが女子っぽくないって言ってんの!」

 デリカシーも何もないよね、本当に。

 そんなくだらないことを話しつつ、

私たちはもう一度ギルドへと向かう。

「ようこそいらっしゃいました!

 今日はどのダンジョンに行かれますか?」

 さっきの緊迫感はどこへやら、

早速受付嬢の笑顔が出迎えてくれた。

「どうしようか? 今日行くダンジョンに

 ついて全く考えてなかったけど。」

「自分から誘っておいて考えてないって

 なにそれ。今から帰ってもいいのよ?」

「悪かったって。じゃあ近いし

 グリーストの洞窟でいいか。」

「かしこまりました。

 では、冒険者ライセンスをご提示の上

 パーティーメンバーをお書きください。」

 通常、パーティーは四人一組で組む。

 でもダンジョンの中には一人ソロ

二人ペアで行く事が許可されているものもある。

 まぁその冒険者のランクによっては

ダメだっていわれることもあるけど。

 私たちは二人ともランクナブ

 ランクはアレンからデジンの十段階に

分けられている。アレンが最も高い。

 ダンジョンの中にもランクがあって、

今回行くグリーストの洞窟はEランク。

 FからSまであって、Sが一番ヤバい。

基本的にはダンジョンって五階層くらい

なんだけど、たまに二十階層くらいある

ものもあるらしい。

 深い階層であればあるほど強力な魔物が

たむろしている。

 ボスも存在はしているが、

一度倒すとそこにはもう現れないから

先に攻略する人が戦う羽目になる。

 私はボスとは戦いたくないなぁ。

「ほら、ルリカも早くライセンス出せよ。」

「あーゴメンゴメン、はい。」

「これでお願いします。」

「承りました。それではお気をつけて

 いってらっしゃいませ!」

 清々しいほど透き通った声で

送り出される。

 どっかの騒音男マギとは大違いだ。

 さて、今日もダンジョン探索、

 頑張りますかね。


――――「そういえば、聞いた?

 グリーストの暴れ炎の話。」

「えっ、知らない。なんなの?」

「最近グリーストの洞窟で

 獰猛な炎を吐く魔物が出るって。」

「怖いなぁ......でも、さっきの冒険者さん達

 そのグリーストの洞窟に行くって。」

「だからちょっと不安なのよね......

 その魔物に、出会わなければ

 いいのだけど。」

 

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