第十話

 ザックは冬至祭りの余韻が残る街を歩いていた。見ると顔なじみが居る。エスリーンとマリアンヌだ。買い物袋を持ってる。楽しそうだ。


 ザックは指定されたホテルの中に入った。ビジネスホテルは観光用なのでこの時期はすいてるのだ。


 「ザック」


 エリックはにこやかな顔で手を振る。


 「もう引き返せないよ」


 眼は笑ってなかった。ザックの手を握りしめる。


 「表向きは商談ということにしてる……いや二人で店を開くのだから嘘じゃないんだけどね。君の覚悟……見せてもらうよ」


 二人が入った部屋は『303号室』だった。エリックは鍵を閉める。鍵はテーブルに置いた。


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