第四話
二年の修士課程を終えてエスリーンとエリックは結婚した。卒業式の次の日に結婚したのだ。
勿論建前だ。契約結婚である。真の愛はマリアンヌとエスリーン、エリックとザックにある。
結婚式の次の日にエスリーンは連盟盟主の座を返上することを伝える。次代盟主はなんとユーレクに指名した。
ほぼほぼ学園を拠点にした盟主は史上初なので学生盟主の愛称をもらって去っていった。
のちにザックもマリアンヌと結婚する。もちろん契約結婚だ。
そう、いよいよ待望のヒキコモリ生活である。
エリック家、ザック家の間に羊皮紙を収蔵する「エスリーン書庫」が完成する。もちろん魔導研究所もセットだ。もっとももう盟主引退と同時に生涯年金が付与されるので魔導研究所から発明品を出す必要はもうないのだが。
羊皮紙に囲まれた平和な日々。ヒキコモリと愛の毎日。もっとも4人が同性と真の愛を結んでいること秘密だったが。特に自分の子供たちには。
やがて歳を経るにつれて男として、女としての能力が失っていく。それでも4人の愛は変わらない。
そしてマリアンヌから病気で亡くなっていく。暖かいベッドの上でなくなっていくのだ。号泣するエスリーン。次に夫のエリックもこの世を去る。
そのときはやってきた。自分の命の炎が消える日が。そばには老いたザックも居る。
(なんだかんだで楽しかった、この人生悔いないわ……)
呼吸をすると画面が真っ暗になった。
◆◇◆◇
(あれ、ここは……?それに私は高校1年当時の体に戻ってる。何で?)
しばらく歩くとそこは玉座があった。
「ようこそ、ここはゲームクリアルームじゃ!」
(どっかで見たような……)
「忘れたのかい! 竜のザルティスじゃ!」
そうだった、竜娘が居るのだった。
「申し訳ございません!!」
「いいのじゃよ。おぬしのおかげでこの地は救われた」
(えっ? どういうこと)
玉座の上には『(^^)b』の文字がある。そうだ!『\(^o^)/』の模様じゃない!!
「ゲームクリア後の元の世界を見てみ? それが君の成し遂げた偉業じゃ!」
(ということは世界を変えてしまった!!)
「わしはおぬしを選んでよかったと思ってる。それじゃお休み。明日から学校頑張れ」
そういうと自分の体が透明になって消えていく。
完全に自分の体が消えるとまた暗闇の中に戻った。自分は浮遊している。
――栄子、栄子
誰か私を呼んでる……。
――栄子、栄子!! 起きなさい!!
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