第七章 私が世界を変えたんだね!
~序~
「これが死神の鎧だ」
プスコフ主教が地下墓地で渡す。
「これが……」
「これを着て戦えば首都攻防戦に勝つ」
それは闇色の鎧だった。
そして渡されたのは面頬。
「歴代の王・皇帝の骨で作られたものです」
ラスプーチンが言う。
「貴方は歴代の王、皇帝の魂を背負って戦うのです」
渡されたのは、鎌。死神の鎌だ。連盟側と違って皇帝がこの姿になるということは帝国側にとって最後の手段である。皇帝こそ死の使者という意味にもなる。神の名によって即位したという聖属性が剥奪され、最悪退位を要求される行為なのだ。たとえ、国を守ったとしてもだ……。
「カマエルの鎌です」
そして皇帝は面頬をつける。もはやそこに女帝エリザベート1世の面影はない。
「行くぞ!! 何としても守るのだ。 首都を火の海にしてもな!!」
その言葉を聞くとプスコフ主教は目を光らせた。
「決死隊は揃えたか!!」
「抜かりはありません」
ラスプーチンが言う。
「この面頬には先代の皇帝の骨も入ってるんだな?」
死神の問いにラスプーチンとプスコフ主教は暗い嗤いを墓所で響かせる。
「貴方のご命令の通り、先代はこの墓所で眠っておられます。最後は眠るようにして亡くなりました」
ラスプーチンは嬉しそうだ。もちろん毒殺したのもラスプーチンだ。
「一人でも多くの骨が無いと魔力は回復できぬからな」
「さようで」
プスコフ主教が面頬に先代皇帝の骨を追加したのであった。
プスコフ主教が地下墓地を出たところを確認してゾフィーがラスプーチンに言う。
「もしこの戦争が終わったら……私はあなたと結ばれたいのです」
渡したのはなんと指輪だった。
「喜んでお受けしましょう。ラスプーチン、幸せ者です」
二人はそっと抱いた。
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