第六章 ゲームクリアが見えて来た!?

~序~

 二人は寮の部屋の布団の中にいた。部屋も辺りも真っ暗。漆黒の世が支配する時間だ。


 「怖い……東方の国々なんてどんなものがあるのか書物でしか知らん」


 「僕もだよ、ザック」


 「エリック、俺は魔剣士としてやっていけるのだろうか」


 「大丈夫だ……。おれが暖めてあげる」


 「すまねえ……」


 「それと俺聖女様に聴かれてるんだ」


 「なんて?」


 「聖なる教えを破壊する邪悪な者に、死の制裁を下す剣士にならないかと。新しい面頬も下さるそうだ。もっと魔力を体に蓄えられるように」


 「そうか……」


 「それって、『死神』になるって事だよな」


 「もし、罪の意識を感じるようだったら僕が癒してあげる」


 「本当か」


 「本当だ」


 「すまない」


 「何謝ってるんだ。俺たちは友という概念を超えた仲だろう……でも言わせてくれ。その死神の鎌は悪しき者だけに振るってくれ。力に溺れて闇堕ちするなよ」


 「もちろんだよ」


 「あと引きこもりがちなエスリーンを守ってくれ」


 「当たり前だ……」


 「出来れば、今度戦うクレアも」


 (もちろんだ)


 だがザックは声に出せなかった。


 「本当は俺が死神剣士になることを例え味方であっても言うことすら禁じられている」


 「だろうな」


 「でも真の愛を築いたお前にだけは伝えようと思った。もちろん内密にしてくれるよな」


 「もちろんだ……」



 その後、二人は愛を確かめ合った。

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