第五話
ザクル領攻略が終わるといよいよ東部領土、ろしてロロ大帝国の首都オスコに攻め入ることになる。しかしその前にやらねばならないことがあった。
「いつまでも卒業生がこの学校の敷地に居るのはあれなんでこの紙にサインして頂戴」
聖女様が持ってきたのは「研究生申込書」と「大学院修士入試申し込み」であった。
「それと現学部4年の校舎も建設して移動し、貴方たちが居た教室は修士生用として復活するわ。双鷲級の部屋は研究室に改造するけど」
この声にハンナは沸き返る。
「ということは金鉾と青獅子の旗も復活するんですよね」
「そうよ」
ここに居た全員が喜んだ。
大学院修士入学の試験は簡単であった。というよりもエスリーンにさんざん新技術を教わったのである。余裕であった。合格発表の掲示板を見る。
こうして彼らは来年から修士生となった。今年は研究生でもあるで堂々と食堂も植物園も釣り堀も教会も利用できる身分となった。そんな時にカーラが駆け付けた。
「大変!! クレア軍がウラドの壁の向こうにある東方の島国に攻めようとしてるわ!! 開国を要求してるみたい!」
(それは日本の事だ!!)
「盟主様、次の目標が決まったね。もちろん同盟国として協力するよ」
アドルフ2世が言う。
「東部の連盟領はもちろんの事各民族の自主・自立・民主主義を守るべ」
ユーレクの領土は東方の領土に近い。他人ごとじゃないのだ。
「これ、たぶんクレアは脅されて実行してるんだよ」
エリックが言う。
「いいわ、東方には未知の文化も多い。研究報告も兼ねて進撃しましょう」
◆◇◆◇
例の四人は秘密研究所員銀狼にも所属する。例の地下教室に訪れる。
「懐かしいなあ」
エリックは言う。
「でもここで何やるんだよ?」
ザックは当然の質問を言う。
「ドローンの性能強化研究よ」
聖女様が言う。
「エスリーンのドローンはまだまだ不完全。電池・ミニ魔導砲……改善の余地は大きいわ」
「それもそうですね」
マリアンヌは納得する。
「ドローン工場を作れば雇用問題も改善できますよね」
「そうよ、エスリーン。貴方の研究は今後も重要性を増すの。まして今度攻めるのは北の大地。ここを取ってロロ帝国包囲網を構築するのよ」
<第五章 終>
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