第五章 盟主ってこんなに大変なの!?

~序~

 どうにか帝国軍の軍勢を退けた連盟と王国軍は


 キーウの再建という気の遠くなる事業を進めなくてはならなかった。


 鉄道は寸断され、生活はエスリーンが導入した魔導技術の前の時代に戻った。


 がれきの山を見て疎開から帰った住民が唖然とする。


 電気で成り立つ生活はもろかった。


 漏電事故も多発した。


 様々な課題が盟主エスリーンにのしかかる。


 そんなエスリーンは今日も引きこもっていた。


 そんな姿を見てエリックはあることを思いついた。


 そう、ヒキコモリでも業務が出来るように。


 「エスリーン、入るよ」


 ノックして入ったのはエリック。


 「君にも業務ができるように工夫したんだ」


 それは水晶玉。


 「リモートワークさ」


 「え、どういうこと!?」


 教授室の一角を勝手に占拠してた(研究生の身分のくせに)エスリーンが起きる。


 「ここから水晶玉で指示出して」


 エリックはある本に気が付いた。


 「この本は……」


 「魔導書よ。でも難しいわ」


 「どんな本だい?」


 「合成ゴムよ。私が作った配線のせいで……」


 そう、本当は送電線なんてゴムで守るものだ。それを陶器で、しかも地中化してなんてのは無理があったのだ。もちろん家庭に配線するときはゴムだが天然ゴムは材料が限られていた。


 「これは一旦置いておこう。君にはもう一つ重要な仕事がある」


 「分かってる」


 そう、エスリーンは盟主なのだ。政治の仕事があるのだった。

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