第六話
なんて痛々しい光景なのだろう。
眼が半分潰れてるようにも見える。眼帯を外した。
「実は貴国に有利な条件を……」
アドルフ2世はにらみつけた。全権委任書をぐっと握る。
「それは結構だ」
「ただし、条件がある!」
腹心にして従者の同級生ルイズが大声で言った
「それはなんでございましょう?」
「我々は経典第一主義を取ってる。宗派の原則を壊さないことと、我々の宗派を尊重することだ、またザクル領を我々の領土にすることだ」
(ん? 何だ? そんなこと? まあ領土の一部割譲は痛いが)
「もちろんです。連盟は元から信教の自由の国ですし」
「話が合うな。即決だ!」
「あの女狐、ゾフィーことエリザベート1世に逆襲しましょう」
「そうとも……許せん……」
「とりあえず天馬部隊で急遽駆け付けましょう。それも学友のメンバーで」
「それはいい……」
◆◇◆◇
「足りねーよ!ドローン!!」
城下町攻防戦は熾烈となった。
だいぶ相手の軍隊の数を減らしてるはずなのにどんどん増援が来る。
――終わりなのか。ゲームオーバーに二度目はない。ゲーム世界で、死ぬのか
エスリーンは覚悟を決めようとした。
「よう、先生。だいぶ苦戦してるな」
なんと大軍勢出来たのは北方王国軍。旗になびく青獅子!!
「間に合った」
天馬から降りるリーエ。
ハンナの雷魔法、オリヴィアの炎魔法が炸裂する。大学城下町にして修道院城下町が焼ける……。
敵軍は阿鼻叫喚だ。
「俺たちも魔法で攻撃するぞ!!」
フリードリヒは風魔法で敵軍の首を飛ばす。
「去って行くぞ」
フーゴの闇魔法が追尾する。
「聖女様、学友として戻りました」
跪くアドルフ2世。
「なんということでしょう。うれしく思います」
<第四部 終>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます