第十二話
後期試験は混乱のさなかに行われた。
卒業発表を待たずに在校生は去っていく。
回答の正誤を四人は行い、成績をつけそして銀狼級は無事閉鎖された。
卒業式は悲惨なものだった。ほとんどの人が出席しなかった。卒業式を欠席したものは卒業証書を郵送で送られてくることになる。そのほか留年する者、休学する者多数。学校は悲惨な状況となった。
卒業生が寮に置いていったものは次の入学生のものとなっていく。
実は銀狼級の学生に限り二回卒業式が行われる。守秘義務に関することにサインする。破ったら最悪裁判になる。サインを終えた紙と引き換えに聖女が卒業証書を手渡す。聖女は祝辞もなしに去っていった。異常事態であることがよくわかる。
「俺たち四人はいつでも会えそうだな」
エリックはマリアンヌの領地にかなり近い。
「特にマリアンヌとエスリーンは同じ建物に住むようなもんだしな」
そう、これから羊皮紙を保管する図書館を建設するのだ。
「エリックの隣の領土だし俺も案外近いな」
ザックも学校経営を行う予定だ。戦争が無ければの話だが。
「ロロ大公国が攻めてくるって話は本当なのか?」
「分からねえ」
ザックは正直迷ってた。
「連盟の国々はばらばらだ。どう反応するか」
エリックも戸惑っていた。
「私たちはただ引きこもって居たいのに」
エスリーンは正直に言った。
「西方教会はもうボロボロよ」
そう、腐敗しすぎた宗派は図書により本来の教えと乖離していたことが庶民にばれたのだ。このため北方王国を中心に新宗派「北方派」が誕生した。
学友も含め、彼らは戦乱に巻き込まれることになる。
<第三章 終>
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