第八話

 冬至祭り。


 ゲームではそう呼んでるが要はクリスマスの事である。「大人の事情」とやらでクリスマスの名称が使えないだけだ。現にどっからどうみてもクリスマスツリーがある。もっとも完全にクリスマスツリーではなく冬至の神様「ミトラ」も飾られるということになってるのだが。なのでツリーの頂上にはミトラ神が飾られてる。


 エスリーンは覚悟を決めた。


 自分も真実の愛の道を行くと。


 それが困難と迫害の道ということも分かったうえで。


 進路予定表に「図書館長」と書く。進路予定表を副校長クラウドに提出した。


 そして二駅先のホテルに着いた。出張族用のホテルだ。休日で年末だから出張族も少ない。


 「エスリーン」


 マリアンヌはにこやかな顔で手を振る。


 「もう引き返せないよ」


 眼は笑ってなかった。エスリーンの手を握りしめる。


 「ええ」


 二人が入った部屋は『303号室』だった。マリアンヌは鍵を閉める。鍵はテーブルに置いた。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る