第二章・第三章の登場人物紹介

書籍化決定のご報告に際し、たくさんのお祝いの言葉をいただきました。本当にありがとうございます。

引き続き本作をよろしくお願いいたします。


本日は登場人物紹介と第四章開幕の2話更新です。


★★★★★★★



〇王家の関係者

・パウリーナ・ブロムダール

初登場時(王国暦七十八年)19歳。

スレインの新副官。ブロムダール子爵家の長女で継嗣。

冷静で有能な点を見出され、セルゲイによって副官に任命される。スレインからも部下として信頼を置かれている。

モニカと同い年で、お互い法衣貴族の子女として友人同士でもある。


・ユルギス・ヴァインライヒ

初登場時(王国暦七十八年)31歳。

少数民族であるグルキア人。かつてヴァロメア皇国でグルキア人自治領を治めた領主の子孫。

傭兵団「ウルヴヘズナル」の団長として生きていたが、スレインの誘いを受けてザウアーラント要塞攻略に尽力し、その報酬としてハーゼンヴェリア王国に迎えられ、男爵位と領地を得た。


・ヨアキム・ブロムダール

初登場時(王国暦七十八年)46歳。

子爵。典礼長官として王家の関わる式典などの運営実務を担う。パウリーナの父。


・エルネスタ・ラント

初登場時(王国暦七十八年)47歳

女爵。文化芸術長官として、王国内の芸人や芸術家たちを保護・管理する。吟遊詩人や旅役者らを使った市井の情報操作なども手がける。


・イサーク・ノルデンフェルト

初登場時(王国暦七十八年)38歳。

セルゲイの甥。次期ノルデンフェルト侯爵。爵位と宰相職を継ぐための修業を兼ねて、旧ウォレンハイト公爵領の維持管理を任される。


・ヴィンフリート・アドラスヘルム

初登場時(王国暦七十八年)22歳。

ワルターの息子でモニカの兄。次期アドラスヘルム男爵。爵位と農業長官職をいずれ継ぐための修業を兼ねて、旧ウォレンハイト公爵領の農業管理を任される。



〇旧ウォレンハイト公爵領関係者

・ユリアス・ウォレンハイト

ウォレンハイト公爵家の当主。故人。

兄夫婦の死去によって爵位を継ぎ、スレインとは似た境遇だった。しかし、高貴な血統を至上とする思想を持つために、平民の血が流れるスレインとは相容れない存在だった。

自らの血統を守るためにガレド大帝国のフロレンツに内通してハーゼンヴェリア王家に謀反を起こすも、失敗して最終的には処刑される。


・ヘンリク

ウォレンハイト公爵家に仕える騎士。故人。

常に主君の味方であることを是とする価値観を持ち、その信念に殉じてユリアスのために玉砕した。


・ルーカス

初登場時(王国暦七十九年)15歳。

騎士ヘンリクの息子。成人と同時に王国軍への入隊を希望し、スレインとの対話を経て入隊を認められた。

騎士の子なので体力や武芸の技術的には既にそれなりの実力を持ち、現在は軍人として経験を積んで一人前になるために修業中。

ゴルトシュタット攻略戦で初陣を飾り、敵装甲歩兵を仕留めるという戦果を挙げる。



〇大陸西部諸国の王族・貴族

・ガブリエラ・オルセン

初登場時(王国暦七十九年)31歳。

オルセン王国の女王。亡き父の遺志を継ぎ、自国と大陸西部の末永い安寧を実現するため、大陸西部諸国による相互防衛の枠組みとして「同盟」を提唱する。

その実直なまでの使命感を示したことで、スレインを味方につけ、戦いの末にヴォルフガング・ヴァイセンベルクを打ち破る。


・ロアール・ノールヘイム侯爵

五十代半ば。オルセン王国の将軍。

経験豊富で厳格な武人。先代国王の遺児であるガブリエラに絶対の忠誠を捧げる。


・名誉女爵ミルシュカ

十代後半。オルセン王家に仕える王宮魔導士の一人。

使役魔法の使い手で、ガレド鷲と呼ばれる大型の鳥の魔物を使役。遠隔地との連絡任務や、ときにはガブリエラを同乗させて急ぎ運ぶ役割を担う。


・ステファン・エルトシュタイン

初登場時(王国暦七十九年)33歳。

エルトシュタイン王国の国王。ハーゼンヴェリア王国からフレードリクの従妹を妻に迎えているため、スレインにとっては義理の従叔父にあたる。

気のいい性格で、国王にしては発言や振る舞いがやや軽い。スレインは気楽に接しつつも、あまり頼りにはしていない。


・ジュゼッペ・ルマノ

五十代後半。ルマノ王国の国王。

娘がヴァイセンベルク王国に嫁いでいるため、当初はヴォルフガングの側について戦いに臨むが、スレインとの交渉を経てガブリエラの側に寝返った。

神経質な性格で、大国の都合に振り回される小国の王としていつも胃を痛めてきた。


・ヴォルフガング・ヴァイセンベルク

四十代半ば。ヴァイセンベルク王国の国王。故人。

自身が古の大国であるヴァロメア皇国の皇族の血を継いでいることから、周辺諸国の王に対して常に尊大に振舞ってきた。

野心の旺盛な性格で、フロレンツによるハーゼンヴェリア王国侵攻をきっかけに大陸西部が揺れている状況を利用し、「連合」という相互防衛の枠組みを提唱して大陸西部を実質的に掌握しようと試みた。

その野心を見破ったスレインによって罠に嵌められ、影響力を削がれたことで逆上。一か八かの賭けとしてオルセン王国侵攻に踏み切るも、ガブリエラとスレインの連携を受けて敗北し、野望を断たれた。

最後は潔く玉砕し、覇王として道半ばで散った。


・モーリッツ・ヴァイセンベルク/レオニーダ・ヴァイセンベルク

ヴォルフガングの継嗣と妻。故人。

モーリッツは我が儘な小心者で、捕虜となった後は幽閉による延命を望むも、邪魔な存在としてロアールに秘密裏に処刑された。

レオニーダは誇り高い性格で、自ら毒薬を飲んで命を絶ち、覇王の王妃として散った。


・ファツィオ・ヴァイセンベルク/ブルニルダ・ヴァイセンベルク

初登場時(王国暦七十九年)それぞれ八歳と二十七歳。

ヴァイセンベルク王国の第二王子と第二王妃。ジュゼッペの孫と娘にあたる。

ヴォルフガングとモーリッツ、レオニーダが消えたことで、次期ヴァイセンベルク王とその後見人になることが決まった。

元々が後継ぎとしては全く期待されていなかったため、ファツィオは年相応の子供でしかなく、ブルニルダも政治の世界には疎い。

現状、実質的にはガブリエラやスレイン、ジュゼッペの傀儡の立場。


・シュタウディンガー公爵

六十代後半。ヴァイセンベルク王国の宰相。故人。

ヴォルフガングと野望を共有し、ゴルトシュタット陥落の責任をとろうと死を望み、処刑された。



〇ガレド大帝国の王族と貴族

・マクシミリアン・ガレド

初登場時(王国暦七十八年)34歳。

ガレド大帝国の皇太子。次期皇帝としての才覚を世に示すため、帝国東部で隣国との戦争に明け暮れ、戦果を挙げている。

超大国たる帝国の皇帝家に生まれたことから、自身が絶大な力を持った高貴な人間であることを微塵も疑問に思わない。大陸西部の小国に対しては当たり前のように尊大に振舞う。

しかし、平民出身ながら短期間で才覚を示し、ザウアーラント要塞攻略を成したスレインに対しては個人的に興味を示し、好奇心からではあるがやや好意的に接する。


・アウグスト・ガレド

初登場時(王国暦七十八年)63歳

ガレド大帝国の皇帝。かつては自ら戦場に立って武勇を示す支配者として名を馳せるが、現在は老い枯れ、気迫は薄れ、判断力も衰えている。

歪な愛情を注いでいたフロレンツに愛想を尽かし、その自身は継嗣であるマクシミリアンから愛想を尽かされている。


・ローザリンデ・アーレルスマイアー・ガレド

初登場時(王国暦七十九年)九歳。

ガレド大帝国の第三皇女。皇帝アウグストの六番目の子供。

帝国と大陸西部諸国の関係がこれ以上こじれないため「余計なことをせず、こちらからは現状を何も変えない皇帝名代」として帝国西部直轄領に置かれた存在。

政治的な能力は皆無に近く、スレインやモニカからは単に皇帝家の象徴的な代表として接せられる。


・ジルヴェスター・アーレルスマイアー

初登場時(王国暦七十九年)38歳。

ローザリンデの補佐役。帝国貴族アーレルスマイアー侯爵家の次期当主で、帝国第二皇妃の兄。ローザリンデにとっては伯父にあたる。

皇帝家による自家の庇護を得続けるため、自家の親戚であるローザリンデが皇帝名代の役目を無難に努められるよう尽力するつもりでいる。

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