第一章の登場人物紹介
〇主人公
スレイン・ハーゼンヴェリア
15歳。ハーゼンヴェリア王国の王太子→国王。
前国王フレードリクの庶子。勇ましい質ではないが、頭の回転が速く発想力に優れる。
様々な苦悩や困難を乗り越えて大きく成長し、一人前の王になった。
〇ヒロイン
モニカ・アドラスヘルム
18歳。アドラスヘルム男爵家の長女で、スレインの副官。
要領が良く、副官としての補佐業務から武芸、騎乗まで一通りのことを水準以上にこなせる秀才。騎士資格持ち。
元々は冷めた性格をしていたが、スレインが困難の中でも前進していく様を見て惹き込まれ、公私ともに彼の理解者となった。
〇法衣貴族
・セルゲイ・ノルデンフェルト
65歳。ノルデンフェルト侯爵家の当主。王国宰相。
20年以上にわたって宰相を務める重臣で、王家の側近格。国家運営の実務全面に精通している。
その役割柄、あえて徹底的な現実主義を貫いてスレインに厳しく当たるが、最後にはスレインの才覚を認めた。
・ジークハルト・フォーゲル
42歳。フォーゲル伯爵家の当主。王国軍将軍。
王国の軍部トップで、セルゲイと並んで王家の側近格。生粋の武人であり、実務指揮官として軍隊の運用にも精通している。
スレインの父フレードリクとは君主と臣下の関係であり、よき友人同士でもあった。
セルゲイが厳しくスレインに当たる分、ジークハルトは友人の遺児であるスレインに最初から穏やかに接する。
・ヴィクトル・ベーレンドルフ
38歳。ベーレンドルフ子爵家の当主。近衛兵団長。
国王直衛の近衛兵団の長として、スレインの身辺警護や王城の警備を担う。
軍人として優秀なのはもちろん、儀礼の場などで格式を保ちつつ実務をこなす器用さも併せ持つ。
仕事はきっちりこなすが、ややドライな性格。スレインが有言実行で王太子として努力を重ねていく姿を見て、本心からスレインに優しく接するようになった。
・エレーナ・エステルグレーン
34歳。エステルグレーン伯爵家の当主。外務長官。
艶やかで色気のある雰囲気の美女。ハーゼンヴェリア王家の使者として周辺諸国との外交を担う。
未熟ながら王太子として努力するスレインのいじらしい姿を最初から気に入り、成長していくスレインを次第に自身の主君としても認めるようになっていった。
・ブランカ
28歳。名誉女爵(一代限りの貴族)。筆頭王宮魔導士。
動物や魔物を使役する「使役魔法」の優れた使い手。ツノヒグマという強力な魔物と、伝令や偵察役として優秀な鷹を従える。
庶民出身で、勝ち気でラフな性格だが、長年の努力もあって貴族らしく振る舞うべき場面では振る舞える。
その出自もあり、一平民から立派な国王を目指すスレインには最初から親近感や好感を覚えていた。
・ワルター・アドラスヘルム
44歳。アドラスヘルム男爵家の当主。農業長官。モニカの父。
王国の(実質的には王家の権力が及ぶ王領内の)農業を統括している。
スレインの発案による、ジャガイモの実験栽培において実務を担った。
実直な性格で、爵位と役職持ちとして十分な能力を持つ。容姿端麗なモニカの父親だけあって、若い頃は美男子として知られた。
・イェスタフ・ルーストレーム
子爵。35歳。ルーストレーム子爵家の当主。王国軍副将軍かつ第一大隊長。
ジークハルトに次ぐ軍部の二番手。戦闘も部隊指揮も十分以上の能力を持つ。
・グレゴリー
騎士(準貴族)。33歳。王国軍第一大隊第三中隊の隊長だった。
軍人としては優秀だが、私人としては少々お調子者の陽気な人物として周囲から親しまれていた。
ガレド大帝国の侵攻軍との戦いで戦死。葬儀にはスレインも参列した。
〇ハーゼンヴェリア王家の関係者
・アルトゥール
33歳。司教。ハーゼンヴェリア王国におけるエインシオン教の統括者。
敬虔な聖職者で、神に仕える者として役目を果たすためなら軍に随行して危険な戦場まで赴く使命感の持ち主。
・ベンヤミン・エリクセン
41歳。エリクセン商会の商会長。王家の御用商人。
表情や仕草で第一印象は悪く思われることが多いが、至って真面目で能力も高いベテラン商人。
王家との信頼関係を維持するためならスレインに付き従って戦場にも立つ。
・エルヴィン
16歳。スレインの幼馴染。商人で、ハウトスミット商会の跡継ぎ。
普段は明るく気さくな性格だが、仕事の場面では一人前の商人として立ち振る舞える。商会規模に比して十分な仕事をこなせる才覚がある。
スレインにとっては気楽に振る舞える数少ない友人であり、完全に信用をおける貴重な商人の一人でもある。
〇領主貴族
・エーベルハルト・クロンヘイム
故人。クロンヘイム伯爵家の当主だった。
ガレド大帝国の奇襲によって王国が危機にさらされる中で、領地を守り、王家への忠誠を示すために少数の決死隊を率いて玉砕する。
彼の犠牲によって伯爵領の領都籠城が成功し、結果的に王国が救われた。
・リヒャルト・クロンヘイム
24歳。エーベルハルトの息子。父の後を継いでクロンヘイム伯爵となった。
順当に伯爵家当主が務まると周囲に見られる程度には優秀。
・トバイアス・アガロフ
41歳。アガロフ伯爵家の当主。西の国境を守る。
王国貴族としての使命感からハーゼンヴェリア王家への忠誠継続を語る。
・ユリアス・ウォレンハイト
ウォレンハイト公爵家の当主。スレインとは一応、義理の叔父と甥の関係となる。
ただし、生まれ育ちが違いすぎるお互いのことを苦手に思っており、王家と公爵家の距離は開いている。
〇諸外国の国王/貴族
・オスヴァルド・イグナトフ
39歳。イグナトフ王国の国王。風魔法の優れた使い手でもある。
当初は平民上がりのスレインを下に見ているが、スレインが帝国の侵攻を前に戦う決意を見せたことで評価を改め、決戦の際には自ら援軍を率いて参戦した。
そのままハーゼンヴェリア王国と協同でロイシュナー街道を守ることになり、なし崩し的にイグナトフ王国はハーゼンヴェリア王国にとって一番の友邦となる。
スレインのことは為政者としては認めているが、個人的にはいまいち好かないタイプの人間と思っている。
・フロレンツ・マイヒェルベック・ガレド
25歳。ガレド大帝国の第三皇子。
帝国の西側国境の周辺国(大陸西部)との外交を担当する。大陸西部の小国群は帝国にとって重要度が低いので、実質的には閑職に追いやられている。
父親である皇帝からは息子として愛されているが、宮廷社会での評価は低く、今回の侵攻失敗でさらに下がることになる。
・モルガン・デュボワ
故人。デュボワ伯爵家の当主だった。
戦好きで「傭兵伯爵」の異名で知られた。戦術家として必ずしもずば抜けた才覚があったわけではないが、領地規模に支えられた精強な領軍を抱え、将としてその精鋭たちの忠誠を集めるカリスマ性や威厳を持っていた。
いくつもの戦場で領軍の練度と圧倒的な破壊力を武器に勝利を収めてきたが、スレインの奇策を前に敗れた。
勇敢な敵、強い敵には敬意を払う。
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