第11話 立花はどこだ
「来ちゃったか、」
ため息をついた初芽は久しぶりに見た気がした。
「やぁやぁ、会いたかったぜあきぃ〜」
「立花はどこだ!?」
「まぁまぁ、俺の話を聞けよ!」
「わかった」
明斗の言うことに従った方がいい事はわかっている。
刺激しない方がいいのもわかっている。
一旦心を落ち着かせようと息を落ち着かせた。
「俺はお前が嫌いだ、初芽がこの部屋にいること自体も最悪な状況すぎて頭に血が登りそうだ、だけど立花を痛めつけたのは悪いと思っているからこの怒りを我慢してやる、」
「そうか」
「立花さんはどこなの、答えて」
初芽が明斗に近づいていく。
「どうした?初芽、俺の目の前に来てなにかするつもりか?」
明斗はニコッと笑いながらそう言うと初芽の手を引いて抱きしめた。
完全に質問を無視したようだ。
「あ〜、好きだ初芽」
「私は好きではないよ、立花さんを痛みつけて秋くんを苦しめる人は」
「そっか〜、そりゃ残念だわ、じゃあ残りの2人、どっちか俺と付き合え」
「えっ、無理、」
「私も無理、」
「そっか、そうだよな〜、なら、立花でいいや」
そう言うと明斗は部屋を出て、1階へと降りていった。
そして、「重いこれ」と言いながら階段を上がって来た明斗は、血だらけの立花を抱き抱えていた。
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