第2話 俺にも言えない過去が出来た

誰にだって言えない過去がある。

俺にも誰にも言えない過去が出来た。

あの時俺が逃げなければあいつは助かったのかもしれない。

まだ死んではいないがもしものことも考えたりする。


雪峰ゆきみね明斗めいとが誤発射で意識不明の重体というニュースでネット上は荒れていた。

雪峰明斗は新人アイドルで今後を期待されている存在で有名人で、意識不明の重体で名前が出たのもこれの影響だ。

俺はこのニュースが流れた日、仮病で学校を休んだ。



次の日学校へ行ってみると報道関係者が大勢いた。

桃山ももやま高校の生徒たちが登校して来ました。」と言いながら近づきマイクを向けて心情を聞いている報道陣にみんな嫌がっていた。

そして教室では雪峰明斗の話で持ち切りだった。

誤発射した理由も今朝判明したらしく、「可哀想だね」とか「その誤発射した警官は絶対早死するよね」だとかみんなが口々に話していた。

でもその顔には涙なんか一切無かった。

そして俺は虐められることも無く、みんなからハブられることも無くなった。

だけど1つ気がかりなのは隣のクラスの立花たちばな桃花ももかがクラスに何度も出入りしていることだ。


さざなみあきくん!虐めがなくなって良かったね!」

学校の帰り道偶然会った立花桃花にそう言われた俺は言葉を返せなかった。

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