昔ばなし

「ところでさ、爆発させたって何?またって言ってたけど」


 言い合いが止まったタイミングを見計らって聞いてみる。このことは触れられたくなかったのだろうか。魔女が苦い顔をしてこちらを見ている。


『えーっとぉ、学校にいる時に調合間違えて作りかけの魔法薬どーんってやって大火傷したり〜』


 苦い顔をする魔女とは反対に毛玉はニコニコしながら自分に話しかけてくる。


「ちょっと!!やめてよ!」


『あとはー、あっ!好きな子に大きい風船プレゼントしようとして魔法で膨らませすぎて爆発したこともあったかな!』


「やーめーてー!これ以上はほんとにやめてほしい....今回の事もバレてるし、もうほんとに......。」


 今回のことというのは多分、さっきの動物達のことだろう。正確にはばれているというよりも、怖がられているという方が正確なのかもしれない。そう思うとこの魔女がほんの少しだけ可哀想に思えた。本当に、少しだけ。


『で?今は何しようもしてたの?』


「最終課題の練習」


『あー.....?』


「むっ.....なによ〜〜!!」


『まだ何も言ってないけど??』


 相変わらず、うるさい。うるささが増しているような気もしなくもないけれど、きっとこれは自分の気のせいで、これ以上話を聞いていると絶対に面倒事に巻き込まれる。そう思った。


 でも、その考えになるのが少し遅かったようで。自分が予感していた事が的中することになる。

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