シーズン2 第13話~第24話
第13話 大地からの使者 感想・シャディクの暗躍はまだまだ続く
いよいよシーズン2が始まりましたね。舞台は学園に戻りましたが、怒涛の展開が詰め込まれていて色々と気になるところがありました。とりあえずオンタイムで視聴した感想をひとことでいうならば「シャディクを一発殴りたい」。本作のラスボスはおそらくプロスぺラになるのでしょうが、現在黒幕的な動きをしているのはシャディクです。彼が周りの人間を「使える駒」と「そうでもない駒」に分けているせいで色々な人間関係がぐちゃぐちゃになっています。特にニカがピンチに……不憫な彼女に明るい未来は待っているのか。今話はけっこうニカに焦点が当たった話だったとも思うので、彼女はやはりメインキャラクターなのだなと(小説版を読んだ印象と併せて)感じた次第です。であればそれなりにきちんとクライマックスも描かれそうなので、期待しております。
前置きが長くなりましたが、個々の感想に参りましょう。
◆シャディク「父さんを巻き込むよ、俺の計画に」の意味
――なぜシャディクは地球の魔女×2を学園に送り込んだのか
シャディクの目的はベネリットグループの解体であることが、シーズン1の終盤で示唆されていました。ヴィムを裏切り彼を間接的に殺害したのも、その一端といえそうです。しかしグループの解体はあくまでも過程。解体した後にどうしたいのかというヴィジョンも彼は持っているはずです。
今回序盤で言っていた「父さんを巻き込むよ、俺の計画に」とは、この解体後のベネリットグループをどうしたいのかに関わってくるのではないかと思われます。では、地球の魔女であるソフィとノレアの二人をアスティカシアに連れてきたのはどういう意味があるのでしょうか。
まず考えられるのは、「スペーシアンとアーシアンの格差の是正」。パイロット技能に優れる地球の魔女を地球寮に入れることで決闘での勝率を高め、彼らの地位を高めることにつながる。ただしこのアイデアは、決闘を重視していないグラスレー寮の寮長らしくない考え方です。また、シャディクのアーシアンに対する考え方はまだ本編では明示されていないので(フォルドの夜明けとのつながり、「孤児院育ち」との発言からシャディクはアーシアンの可能性がありますが実際のところは不明です)、こうした大志を抱いているかは定かではありません。
次にありえるのは、「ガンダムの兵器としての活用」。これはミオリネに対しても提案していましたし、ガンダムをグループの起爆剤にしたいと考えている節はありそうです。ガンダムルブリスウル/ソーンの出自は未だ謎ですし、シャディクお抱えの企業=オックスアースの残党の中で密かに開発を進められたGUNDーARMなのだとすれば、つじつまは合うでしょう。ただし、シャディクにとってもエアリアルの登場は想定外だったはずで、しかもエアリアルとファラクトを有する㈱ガンダムを手に入れることはできなかった。ガンダムルブリスから派生していると思われるエアリアルとは違い、ファラクトは出自が異なる。もしかするとシャディクの計画の邪魔になるような機能が搭載されているかもしれない。よって、「廃棄する」というノレアの発言にもつながります。
そのパターンで考えた場合、ソフィ・ノレアの潜入の意図は「エアリアルの性能の秘密を暴露・奪取する」および「ファラクトの性能を確認し、必要であれば破壊する」という二点にあるように思われます。ニカを使えばどちらもできそうではありますが、彼女が強く拒むことを想定したのでしょうか。あるいは単なる「連絡係」にそこまでの役割を持たせるつもりはないということなのでしょうか。いずれにせよ、ソフィ・ノレアはシャディクの手駒で、アーシアンという立場を活かして活動している工作員と思われますのでこの場合、本編ともつじつまが合います。
今ぱっと思いつく説はこれくらいですが、シャディクのことですからまだまだ考えていることは多そうです。シャディクガールズたちが「俺の計画」をどこまで知って協力しているのかも気になりますね。なぜ彼女らがシャディクに協力的なのかも含め。疑似彼女とかではないことを願いたいです(もしそうだとしたらもう一発殴らせてほしい)。
――次回タイトル「彼女たちのネガイ」の意味。ソフィやノレアの願いとは?
さて、プリンスことシャディクにダミー会社を用意してもらいアスティカシアに潜入したソフィ・ノレアの二人ですが、彼女ら自身にも何かしらの考えはあるはずです。ソフィは「お姉ちゃん」ことスレッタに会うことを楽しみにしていたようですし。ノレアは今のところ考えが読めない節があります(前述のとおり、ファラクトの破壊はシャディクの指示と思われる)が、彼女たちは何を思ってフォルドの夜明けに協力し、何のためにGUND-ARMに乗っているのでしょうか。
次回タイトルが「彼女たちのネガイ」とあるからにはこの二人の考えにもフォーカスされるのではないかと思っているのですが、いまいち想像がつきません。アーシアンの地位向上および、スペーシアンとアーシアンが手を取りあえる社会を夢見ているニカに対して「現実、なめてますよね」と言い放ったあたり、ノレアはよりシビアな現実を見据えているのでしょうが……彼女たちの考え方次第ではスレッタ側(㈱ガンダム側)につく可能性もあるので、次回の決闘はどんな展開になるのか、二人がどんなMSを使うのかは見どころです(ルブリスウル/ソーンを持ち込んでいるのであれば色々な意味で大騒ぎになりますし)。
◆エラン(5号)「気が合いそうだな」の意味
―—強化人士は記憶が消されているはずなのに、考え方がアーシアン寄りなわけ
またハニートラップ要員にしては口説き方が雑な5号エランこと強化人士5号が現れたわけですが、彼がノレアの呪詛に対して放った「気が合いそうだな」という台詞には引っ掛かりを覚えました。ノレアの話は、要約すると地球での過酷な暮らしを知らない呑気な学生たちが、かりそめの平和を享受している姿を見ると反吐が出るという内容だったと思います。エラン(5号)がこの内容に対し「気が合いそうだな」と言っていたということは、考え方がアーシアン寄りだという風に考えられます。
そもそもエラン(5号)は㈱ガンダムのパイロットとして雇われているため、地球寮にも出入りしている模様です。ソフィとノレアを寮で受け入れるかどうかの話し合いの場に、彼もちゃっかり参加していましたし(チュチュには突っ込まれていたので、完全に受け入れられているわけではなさそうですが)。それが単純にペイル社の命令だから従っているだけなのか、本人の意思としてアーシアンと一緒の空間のほうが水が合うのかは不明です。しかし、前述した発言を見るからに、メンタリティは地球育ちのアーシアンに近いようです。
ここで気になってくるのは、シーズン1のダイジェストで説明されていた「強化人士は記憶が奪われている」という内容です。エラン(4号)も幼少期の記憶はなく、エアリアルとの戦闘ではじめて誕生日を祝ってもらった過去を思い出しています。つまり、エラン(5号)もエランになる前の記憶は失っているはずです。それにもかかわらずなぜ、アーシアン寄りの考え方を持っているのでしょうか。
一番シンプルに考えるのであれば、貧しいアーシアンを集めて記憶改ざんや整形手術などを行い、影武者を立ててまでホルダーの座を奪おうとしているペイル社のやり方に嫌悪感を催しているという可能性が高いです。自分の出自からしてスペーシアンは人でなしだという考え方に至り、何の悩みも苦労もなく平和な学生生活を送る生徒たちに負の感情を抱いているというのはありえそうです。
その説をとるのであれば、エラン(5号)とエラン(オリジナル)は性格が似ているとされているのが気になります。そもそもエラン(オリジナル)がどういった人物なのか(ペイル社における立場や出自など)がまだ明かされていないのですが、彼も同様にスペーシアンを嫌悪しているのでしょうか。もっとも、強化人士というシステムは彼を表舞台に出さない&GUND-ARMのデータストームによる悪影響を受けないで済むための手段ではあるのですが。あるいは似ているのは性格の「悪さ」だけで、悪さの方向性は違うという可能性もありますね。エラン(オリジナル)も実はアーシアンだったりしたら話の展開が面白くなりそうではあります。
◆ニカの夢と現実の矛盾
―—地球の地位向上と、「連絡係」はどうつながるのか
先ほども少し触れましたが、ニカは「アーシアンの地位向上および、スペーシアンとアーシアンが手を取りあえる社会をつくる」のを目標にしている節があります。小説版第1巻にてエアリアルの決闘を見ているシーンの独自からもそれがうかがえます。
しかしながら、ニカは反スペーシアンのゲリラ組織「フォルドの夜明け」との連絡係という役目をシャディクによって担わされています。また、今回のノレアの発言からニカは、シャディクが用意したダミー会社による推薦という体でアスティカシアに入学していたことが明らかになります。反スペーシアン組織の「連絡係」としての立場と壮大な夢。この二つの間には大きなギャップがあるように感じられますが、このダブル・スタンダードはいかにして生じたのでしょうか。元々大志を抱いていたアーシアンだったものの、メカニック技術の高さに目をつけられて利用されたのか、貧しくて学園に通えなかったために仕方なくシャディクの話に乗ったのか。今のところ「連絡係」の技量としてメカニック技術は求められていないので、後者が大きな理由な気がしますが、家が貧しいにもかかわらず大志を抱けるというのはすごいことだと思うので、彼女の生い立ちや夢を抱くに至った経緯は気になりますね。
地球寮の中で、チュチュは採掘場の出身であることが明かされています。ニカもメインキャラクターの一人なので、出自が明かされることを期待して待とうと思います。
◆「クワイエット・ゼロ」にミオリネを巻き込む意味
―—株式会社ガンダムはカモフラージュではなかったのか?
Cパートにて、プロスペラがミオリネに「クワイエット・ゼロ」への参画(表向きはでリングからの引継ぎ)を提案していましたが、これにはどんな意図が込められているのでしょうか。シーズン1でプロスペラはデリングに対して、「㈱ガンダムがいいカモフラージュになっている」と言っていたので、てっきりミオリネたちには好き勝手にやってもらって、自分はこそこそ裏で策謀を巡らせるものだと思っていました。
しかし、プロスペラの作中での発言(エアリアルに対するもの以外)は大抵あてにならないので、彼女の真意を読み解くことは難しいです。しかし、影の演出(ミオリネは日向に、プロスペラは日陰にいる)などから、クワイエット・ゼロはあまり大々的に宣伝できないプロジェクトであることは想像できます。プロスペラは「戦争のない世界に書き換える」と言っているので、ガンダムによる意識の共有減少などを用いて人々を洗脳する計画なのではないかと予測されます。
prologueにて、ナディムとエリクトがハッピーバースデーを歌っているときに、回線がつながっていないにもかかわらず二人の歌声がドミニコス隊に聞こえていたことから、ガンダムには搭乗者の意志を周囲に届ける力があるものと思われます。また、シーズン1の終盤でスレッタがガンビットを用いてミオリネを探しあてたことから、その逆(周囲の様子を搭乗者に届ける)も可能のようです。この力を発展させれば、ガンダム搭乗者が自らの意志を周囲に拡散することができるのではないでしょうか。
また、エラン(4号)がガンビットに囲まれた際に過去を思い出した描写、更にエアリアルがパーメットスコア・シックスに到達した際にプロスペラが涙を流していたこと、そのときからスレッタがエアリアルと会話するそぶりを見せていたのも気になります。これらのことから、エアリアルには過去を思い出せる、ないしは故人と意思疎通が図れる能力があるのではないかと想像されます。
プロスペラとデリングは共に配偶者を失っています。彼らは最愛の配偶者と再びコミュニケーションをとるために、クワイエット・ゼロを推進しようとしているのではないか。そんな大人のエゴをミオリネに言っても首を縦に振らないことは目に見えているので、「戦争のない世界に書き換える」という耳ざわりのいい言葉を使っているだけなのではなかろうか。そんな気がしてしまいます。とはいえ、「書き換える」というのは穏便ではありませんが。
スレッタ含め他者とのコミュニケーションができない中で、ミオリネがどんな決断を下すのかが気になります。
◆新しいOP、ED
――暗い雰囲気のOP
さて、シーズン2に入ったということでOPとEDも新しくなりましたね。まだ1回しか見れていないので細かい要素は拾えていないのですが、全体的にキャラクターの表情が暗いという印象を受けました。特にグエルはガンダム00のED「フレンズ」を彷彿とさせるレベルで暗かったです(わからない方はごめんなさい)。グエルは1話には出てこなかったので、今どうしているのかさっぱりわかりませんが、何とか明るい未来を見つけて欲しいところです。しかしあの戦いの後でジェターク社側に回収されていない(=ラウダがCEO代理をしている)ということは、フォルドの夜明けの捕虜になっている可能性のほうが高そうです。本作がスレッタとミオリネの物語である以上、グエルが負けヒロインになることは確定しているわけですが、それでも彼には幸せになってもらいたいというのがいち視聴者としての願いです。
――不気味な未来を暗示するED
EDは、OPにも増して不気味な雰囲気でしたね。エアリアルがスレッタの胸に腕を突き刺すシーンは衝撃的でした。シーズン1のオープニングで「共に生きるから」といっていたエアリアルがスレッタを取り込む、ないしは攻撃するような姿を見せるとは……エアリアルだけはスレッタを裏切らないと信じていたのですが。
本編ではエアリアルと意思疎通を果たしたスレッタが母から自立するストーリーになってくれるといいなと個人的には思うのですが、果たして本編はそう上手く行くのでしょうか。今後の展開が不安になるクライマックスでした。
というわけで、いよいよ始まったシーズン2も感想をつらつらと書き連ねていきたいと思います。今までは2回視聴したうえでこの感想を書いていたのですが、リアルが多忙になってきたため1回の視聴で書かざるを得ない状況です。ゆえに台詞の聞き取り間違いなどが出てくるかもしれませんが、ご了承ください(気づいた方はそっとご指摘いただけるとありがたいです……)。
今シーズンも楽しんでまいりましょう。
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