【考察1】00の三国家群 ≒ 水星の魔女の御三家?
1話を視聴し、かつ公式ホームページを確認した際、『水星の魔女』に登場する御三家は立ち位置も関係性も、『ガンダム00』に登場する三国家群に似ているような気がしたので、その辺りの内容をまとめたいと思います。
ガンダム00未視聴の方にはわかりづらい内容となっておりますので、予めご了承ください。
◆自社の成長のため、他者と切磋琢磨
ガンダム00における三国家群とは、
①ユニオン(アメリカ中心。日本もここに含まれる)
②AEU(Advanced EUの略。要するにヨーロッパ)
③人革連(ロシアと中国中心)
の三組織であり、それぞれが各地で代理戦争を繰り広げ覇権争いをしているという世界観でした。他方で、水星の魔女の御三家はベネリット・グループ傘下の有力企業三社を表します。すなわち
①ジェターク社
②グラスレー社
③ペイル社
ですね。彼らは同じグループに所属する企業ですから、戦争のような形で直接やりあうことは(決闘以外)ないでしょうが、より業績を上げ、自社の地位を上げるべく切磋琢磨している関係と言えるでしょう。互いにライバル意識を持っているという点において、00の三国家群の関係に近いと考えられます。
◆各組織にエースパイロットがいる
ガンダム=ロボットアニメゆえの必然ですが、各組織にはそれぞれエースパイロットが所属しています。彼らが主人公たちガンダムサイドと絡むことで、物語が膨らんでいくわけです。
00の場合
①ユニオン……グラハム・エーカー
②AEU……パトリック・コーラサワー
③人革連……ソーマ・ピーリス(※セルゲイという線もありますが、ガンダムパイロットとの因縁という点からここではピーリスを挙げておきます)
水星の魔女の場合
①ジェターク社……グエル・ジェターク
②グラスレー社……シャディク・ゼネリ
③ペイル社……エラン・ケレス
ガンダム00では、4人のガンダムパイロットと3国家群のエースパイロットが対決するシーンが多く描かれ、特に
刹那⇔グラハム
ティエリア⇔コーラサワー
アレルヤ⇔ピーリス
という関係性が多く描写されていました。しかし、水星の魔女では主人公サイドのガンダムパイロットが、主人公のスレッタ一人だけです。そのため、御三家のエースパイロットの対決矢印がすべてスレッタに向く可能性が高いと思われます。オープニング映像でも御三家は対決する相手のように描かれていますし。
第1話ですでに
スレッタ⇔グエル
のマッチアップが実現し、グエルはスレッタに対して因縁なりライバル心なりを感じているでしょうから、今後この二人の関係性が掘り下げられることは容易に想像できます。
ただし、00と水星の魔女の最大の違いは、前者が紛争に介入する戦争ものであるのに対し、後者が学園ものであるという点です。つまり、御三家は必ずしも主人公とライバル・対立関係にあるとは限らず、和解したり協力したりする展開もありえます。スレッタの真摯さに心を開いた御三家の筆頭たちが、親たちが経営する会社orベネリット・グループに反旗を翻す、なんていう展開もあるかもしれませんね。
◆三つの組織の毛色が異なる予感
00の三国家群は、現実世界に存在する国同士がまとまってできているので、各組織の毛色が違うことは容易に想像がつくと思います(※00は暦が西暦なので、我々が生きる現代社会の未来を描いている設定です。故に他シリーズに比べ、用語の理解が比較的スムーズという利点があります)。
具体的にはユニオンが技術力では先んじており、スマートなMSを開発している。AEUは合議制ゆえに判断力が遅く、MS開発もユニオンの後塵を拝している。ゆえに慌てて協約を上回る数のMSを生産したり、ユニオンのMSに酷似した機体を開発したりしている。人革連は独自路線を貫き、全領域対応型MSを開発している他の二組織とは異なり、領域別(宇宙型、地上型など)にそれぞれ対応した重量級のMSをつくっている。更に非人道的な人体実験を行い、超兵と呼ばれる強化人間の研究も進めている、といった具合です。
水星の魔女でも、御三家の毛色が異なることは容易に想像がつきます。まずホームページで公開されている3社のMSは大きくデザインが異なります。重量級のディランザ、スマートな印象のミカエリス、ガンダムの名を冠するファラクト。00のようにどこかの会社が別の会社のMSデザインを模倣したということはなく、三者三様の開発コンセプトがあるように思われます。
また、ペイル社だけが合議制をとっているのが興味深いです。00で描かれたAEUのように、合議制故に物事の決定スピードが遅く、MS開発も御三家の他の二社に比べて遅れを取ってしまったがゆえに、違法であるGUNDフォーマットに頼った機体を慌てて開発した……なんていう設定があるのかもしれません。00の設定と照らし合わせて考えると、ペイル社が合議制であることと、ガンダムの名を冠したMSを所有していることは何らかの関連性があるように思えてなりません。
◆『水星の魔女』の世界に強化人間は存在するのか?
00の世界では、前述した通り人革連が「超兵」という名の強化人間を開発していました。00に限らず、人為的に強化された人間が搭乗するのは、ガンダム世界のお約束でもあります。ましてや水星の魔女には、GUNDシステムという身体強化システムの存在がすでに示唆されています。となると、強化人間がこれから登場する可能性は高いといえるでしょう。
個人的に、既出の人物の中で強化人間の可能性が高いのはエランだと思います。ペイル社の共同CEO達が皆クローン人間かのような衣装を身にまとっていること、エラン自身が他人に興味を示さないがGUND-ARMには関心を持っていること、そして何よりガンダム・ファラクトのパイロットであること(※1つ目の理由は半分冗談です笑)。ガンダム・ファラクトはルブリス→エアリアルの「普通に搭乗するだけなら安全なガンダム」の系譜にない機体だと思われるので、GUNDフォーマットのリスクがそのまま残っているMSである可能性があります。エランはそんなリスクに耐えられるよう、身体能力が強化されているor身体の一部をGUND化している可能性があるのではないでしょうか。だから自分はまっとうな人間じゃない=他人に興味を持っても仕方がないという発想に至っているのかもしれません。
◆アンチエアリアルで3社がまとまることはなさそう
00では、最終的に三国家群は「アンチ・ガンダム」でまとまり、ガンダムを倒すために一致団結することになります。しかし水星の魔女でそうなる可能性は低いと考えています。
なぜなら、ペイル社が「ガンダム」を作っているからです。この世界でGUND-ARM製造はご法度なはずなのに、なぜ御三家がガンダムを所有しているのかは謎ですが、いずれにせよガンダムであることを理由にエアリアルを排除することは、少なくともペイル社にはできないと思われます。
また、話が前後してしまいますがグラスレー社も、2話の時点ではエアリアル擁護派です。ヴィム(グエルの父)は、「たまたま」と前置きしつつも自社のMS、ディランザを撃破したエアリアルの機体性能を評価しており、エアリアルの性能研究はベネリット・グループの利益になると述べています。つまり2話の時点で明らかなエアリアル懐疑派はグラスレー社だけということになります。本編でシャディクも、(エアリアルがガンダムだとしたら)「放ってはおけないな」と発言していましたし。
一応ベネリット・グループの御三家ということで互いに切磋琢磨していた三社ですが、スレッタ&エアリアルという異端児の登場により足並みが乱れました。そもそも1話の時点でヴィムがデリングを殺害しようと企てていたシーンもありましたし、ベネリット・グループが一枚岩ではないことは確実です。
今後、彼らが協調路線をとるのか互いに対立していくのか、主人公たちに対してどういう態度で接していくのかは見ものですね。
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