第4話 嫌い、いらない、恥ずかしくない?
トロイノイ以外でマギヤと縁及び因縁の深い女子班員といえば、メルテル・レイ・フィーの三名である。
マギヤが異性に関する記憶を無くしたと聞いて、三名の中で真っ先にやってきたのはフィー。
以前からマギヤを好いているフィーは、好きになった日からマギヤのマネして存在してる髪の尻尾と、腰というか尻というかをフリフリさせながら「わたしがマギヤの
「いやいやいやいやいや! 嘘じゃないもん! わたし知ってるよ、マギヤは大好きな女の子ほど人前で冷たくしちゃうとこ! 好感度と人前での態度が反比例するって!」
「人前での態度=正な何か÷好感度とするなら、比較的ましな嫌い態度=正な何か÷この上なく大嫌いになりませんか?」
「え、つまりマギヤは、わたしとは初対面だが、既にわたしのことがこの上なく大嫌いってこと……?! どうでもいいじゃなくて、大嫌いってこと……?! 嬉しい……!」
あまりにいろいろと見苦しい態度のフィーに、マギヤはさっさと
レイとメルテルとマギヤは、魔法実技を受けるクラスが一緒な関係で比較的よく話をする。
レイはマギヤに、ここぞとばかりに優秀な自分を猛アピールするが「いらない」、「どうでもいい」などと切り捨てられた。
この日の昼休み、人気のない廊下で、メルテルがマギヤに対して、この前自分に言ったことを覚えてるかと尋ねたら、覚えてないと言われた。
メルテルが言う、この前自分に言ったこととは、マギヤが異性の記憶を無くす少し前のある日のマギヤの発言である。
タケシやプリストラから調子はどう? 的な質問をされて、マギヤが笑顔で答えたら、二人の態度がおかしかったから、自分の笑顔はそんなにおかしいのかと、メルテルに尋ねた……まではよかったが、問題はその後。
当時を再現したマギヤを見てのメルテルの回答に対して、あごクイからの角に追い詰めての片脚壁ドンからの両手壁ドン、さらにそこから、このまま貴方を抱きたいぐらい、などと妙なことを耳元で囁いたのである。
メルテルが顔を真っ赤にして、今のマギヤに壁ドン等を再現したら、マギヤは無表情で「……恥ずかしくないんですか?」とお前が言うなな態度だった。
マギヤが周囲を軽く確認した後、「貴方さえよければその顔、抱き隠してあげましょうか?」なんて尋ねてくるが、メルテルは当然拒否する。
「マギヤ……いつかトロイノイに刺されるわよ?」
「トロイノイに? ……ああ、そうですね。せいぜい刺されてすぐ死なないよう頑張らないと」
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