その後 そして始まり

閉校後のある日

キーンコーンカーンコーン

キーンコーンカーンコーン


 閉校になってから何年か過ぎたある日、この部屋にもたくさんの人が入ってきた。


 その中には聞いたことがあるような声がいくつも混ざっていて、学校がいまだに残っているのではないかと思ってしまう。


 彼ら/彼女らは部屋の中の掃除をしてから、機材の点検を始めた。


 配線の修理だったり機械の交換であったり、さらには新しくネット環境の整備をしたり。


 最初、この人数だと今日中に終わらないだろうと思っていたが、この部屋の外にもたくさんの人がいるようで、ほとんどの作業が1日で終わった。


 その次の日は前日ほど人は集まらなかったが、それでもかなりの人数が集まっていた。


 旧職員室で話が行われていてよく聞こえないが、何かをしようとしているのはわかる。


 その話が続いている間、放送室は休憩所兼保育場のようになっていた。


 前室では話に関係がない人や作業に疲れた人などがこの部屋に集まって雑談をしていて、防音室では歌ったりしている。


 そうして時間を過ごしているといつの間にか夜になり、それぞれが自分の家に帰っていく。


 それを見るのが悲しいとも感じるが、もうすぐたくさんの人が来るのだ。


 それ以上の楽しみが待っている。

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