文化祭の朝

「みなさん、おはようございます!」


 今日も放送が始まるが、最初の言葉は普段とは少し違う。


 今日はこの学校の文化祭が始まる日で、その文化祭の開始の一言は放送部の部長が言うことが▲◼︎年前に開校した時から決まっている。


「それでは文化祭、スタートです」


 校長先生たちの話が終わり、定刻になると同時に文化祭が始まった。


 部長のその一言と同時に校門は開かれ、外部からの客が入ってくる。


 この学校の文化祭は3日間行われ、最初の2日間は1・2年生が主役だ。


 1年生は各教室でお化け屋敷や迷路などの出し物が、2年生は喫茶店などの食べ物を出すものがメインだ。


 各部活もこの日に様々な活動をしている。


 最後の3日目は3年生が主役だ。


 それぞれのクラスで劇やダンスを脚本から作り、それを体育館で1クラスずつ発表していく。


 それが終わった後は小休憩を挟んだ後に投票で選ばれた各学年の1番の出し物を表彰する。


 その後に軽音学部のライブがあった後に文化祭が終わるのだ。


 放送部は部員が一定時間ごとに交代していって各クラスの紹介やレポート、アナウンスなどを行なっていく。


 今は文化祭が始まってすぐなので部長と副部長が担当している。


 入った頃は人見知りだった部長と中学の頃から引きこもりだった副部長はこの3年間で立派に成長した。


 部長は最初、初めて合う人でももちろん友達の前でさえ緊張していたが、先生や他の部員のおかげで知り合いの前なら普通に話せるようになった。


 機材の前にいる子は中学の時にいじめにあって高校に入るまで引きこもりだった子だ。


 高校に上がってからは学校に来るように努力していたが、それでもたまに来れないときがあった。


 そんな日もなんとか乗り越えてこの子はこの日も来ることができた。


 今日流す曲は事前に校内でリクエストを取ったもので、曲だけはいつもよりも音量を下げて放送している。


 今日の放送はあくまでBGMなので各クラスのものを邪魔しないようにするためだ。



 文化祭は始まったところで、放送部にはたくさんの仕事がある。


 最初の仕事をするために部長はマイクの前に立つ。


ピーンポーンポーンポーン


「囲碁将棋部よりお知らせです」


 アナウンスを進めていく。


 この後もたくさんの仕事が放送部を待っている。

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