夏休み前の放課後
各クラスのホームルームを終え、部員たちが少しずつ集まり出した。
全員が揃うまでは自分のしたいことをしているが、全員が揃うと、集まって話し合いを始めた。
これは、初めての放送の日から続いていることで、放課後に集まれる人全員でその日の反省などを話し合っている。
今日は夏休み前の最後の日なので、放送の反省以外にも話し合うことがある。
夏休みの間、どんな活動をするかについてだ。
今のところ、何かの映像作品を作ることが決まっている。
それ以外にも色々な案が出ている。
みんなでどこかに遊びに行くとか、放送コンテストのために取材に行くとか。
いくつも案は出ているが全員が集まれる日は少なく、その日もほとんどが撮影で潰れている。
このままでは何も決まらない。
飽きてきた部員の1人が部室内放送で音楽を流し出した。
それに合わせて踊ったりしている部員もいる。
部長は諦めてこの後カラオケに行くこと、そして続きはLINEでしようということを決めた。
そして他の部員は部室から出ていく中、今日の放送担当の2人は部室に残っている。
ネットと紙の両方で放送した曲を記録している。
後輩が紙をしていてすぐにおわったが、ネットの記録だけでなくリクエストされた曲のチェックもしていた先輩はまだ終わりそうにない。
後ろでそれをみていた後輩だが、いきなり先輩に飛びついた。
先輩は驚き、椅子から落ちそうになったが後輩が支えたことで何とか落ちずにすんだ。
なぜそんなことをしたのか聞けば、またもや先輩は驚いた。
後輩は小さい頃に引っ越した先輩の幼馴染であり、去年の終わりにこの地域に戻ってきたそうだ。
この学校に入ってからは放送部に入って何度もそのことを伝えようとしていたが、2人だけになる機会がなかったために伝えることができなかったそうだ。
そして今日、やっと2人きりになれて伝えることができたのだ。
さらにその流れで、後輩は先輩に告白をした。
そして数秒、両方の動きが止まった。
両方の顔が赤く染まってから、先に動いたのは後輩だった。
照れてしまったようで、何も言わずに部屋から走り出て行ってしまった。
先輩は一拍遅れて2人分の荷物を持って走って行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます