第2章 カイリと瑠花が行く!【Vtop】の洗礼!
第21話 とんでもVtuberカップル(?)の軌跡をまとめてみた&雑談配信
とんでもVtuberカップル(?)の軌跡をまとめてみた
1:Vtuber好きの名無しさん
・初回配信で全裸土下座を決行。大バズする
・カイリきゅん可愛い
・#童貞宣言がトレンド入り
・軽快な狂気トークととんでもねえ幼馴染美少女イラストレーターが大人気に
・学校&外で身バレ
・爆速十万人&二十万人突破
・カイリきゅん可愛い
・神キービジュが三十万いいねを超える神バズに
・毎配信神イラストレーターのサムネ付き
・桜浜桃華とかいうこの二人にならぶとんでも新人Vtuberの発掘
・カイリきゅん可愛い
・休止中に三十万人突破
・カイリきゅんのドSボイス、まさかの
・異例の大手Vtuber箱【Vtop】へ三人まとめて移籍
・カイリきゅん可愛い
これやばくね?
2:Vtuber好きの名無しさん
え、濃い。濃すぎる。一年間の軌跡か?
3:Vtuber好きの名無しさん
二ヶ月足らずなんだよなぁ……。これもうトップ入り確定だろ。密ちゃん達もそのうち越すのでは?
4:Vtuber好きの名無しさん
ありえる。でも密ちゃんはVtuber界隈の将来が不安って言ってたし大歓迎では?
5:Vtuber好きの名無しさん
ありえる。確か誘ったのがカナタちゃんだったか
6:Vtuber好きの名無しさん
流れ止めてごめんだけどカイリきゅんのボイスって使える? 買おうか迷ってて
7:Vtuber好きの名無しさん
今すぐ買え。俺は自分がMだったと初めて気づけたぞ
8:Vtuber好きの名無しさん
まじで買って損は無い。カイリきゅんのドSボイスは貴重。あとめちゃくちゃ使える。友達に送り付けたらそっちに目覚めた
9:Vtuber好きの名無しさん
逆に目覚めたくないんだったら買うな。でも世界が広がるから買った方が良き
10:Vtuber好きの名無しさん
まじか。買うわ
◆◆◆
54:Vtuber好きの名無しさん
事務所入りかぁ。Vtuber界隈よく知らんのやけど個性潰れたりしないん?
55:Vtuber好きの名無しさん
Vtopは個性を前面に押し出す箱やぞ。具体的に言えば、トップが元ヤンで背中に刺青入ってたりする。ちなみにその子のママが刺青入りイラストレーター書いてたりする。あともれなく全員頭おかしいから安心しろ
56:Vtuber好きの名無しさん
も れ な く 全 員 頭 お か し い か ら 安 心 し ろ
57:Vtuber好きの名無しさん
でも三人の個性が強すぎるのも分かるし。これからが楽しみだわ。個性つよつよVtuberとのコラボも楽しみ
58:Vtuber好きの名無しさん
それやな。これからが楽しみ
◆◇◆◇◆
「俺の乳首にアウグストゥスをした時の話はやめろ。BANされるだろ」
「大丈夫大丈夫。アウグストゥスしたくらいでBANされないって」
『初代ローマ皇帝を隠語にするんじゃない』
『歴史好きに怒られろ』
いやだって……アウグストゥスだし。アウグストゥスされたんだし。
ちなみに今は配信中である。いつもの雑談だ。
「そういえば、ボイス。あれからすっごい好評で、一週間で月間ランキング一位を獲得しました。ありがとうございます」
「急に真面目になるな。頭がおかしくなるだろ」
『二人の頭がおかしくなるは正常になるって意味なんだよなぁ。異常の異常が正常みたいな』
『真面目にお礼を言うだけで幼馴染の頭をおかしくさせるタイプのVtuber』
瑠花がじとっとした目で俺を見てくる。……確かに今のは俺が悪かった。
瑠花が手を差し出してきた。
「握って」
「……え?」
「握ってくれたら許してあげる。あと乳首にアウグストゥスした話も許してあげる」
「……仕方ないか」
俺はその手を握った。暖かく、柔らかな手。
思わず恥ずかしくなりながらも画面を見る。
『てえて……ぇ?』
『そんな事より乳首にアウグストゥスが気になりすぎる。なんだよ。乳首にアウグストゥスって』
まあ、それは話せないし仕方ない。
「とにかく、ありがとうございます。視聴者さんのお陰で美味しい物がいっぱい食べれそうです」
「……ありがとうございます」
瑠花に続いて俺は言う。すると、瑠花が手をにぎにぎとしてきた。
「ちなみにカイリが実感なさそうだから。私の通帳見せてあげるね」
そう言ってなぜか瑠花は通帳を取り出して見せてきた。
……??? え?
「瑠花、お前こんなに稼いでいたのか」
そもそもの額がとんでもなかった。これ高校一年生の通帳だよな? え? 社会人歴十年とかじゃなく?
「カイリとの結婚式費用にね! じゃなくて。ちなみにこれ」
「……桁。一つ間違えてないか?」
いや、確かに俺もかなり買ってくれたと思っているが。
「ちなみにこれ、この前のカイリ復活配信のやつだけね。ボイス販売の方は月末にしか入らないみたいだから。……目算だけど。この三倍くらいは入りそうだよ」
「待って待って。理解が追いつかない」
え? こんなの俺高額納税者になっちゃうじゃん。税金こわ。
ではなく。
「……まじ?」
「まじ。ちなみに密ちゃんの話だけど、過去一貰ったとか」
『人の復活配信で過去一投げ銭貰うのは草』
『美味しいものいっぱい食べてカイリきゅん』
……これは。本当に視聴者に頭が上がらないというか。
「ありがとうございます。これで瑠花と美味しい物食べてきます」
「ウエディングケーキとか?」
「気軽にウエディングを開こうとするな」
まだ記帳していないが。恐らく俺の通帳にもこの額が振り込まれているのだろう。
「……というか。こんなに貰えるものなのか」
「確定申告とか税金がちょっと面倒だけど。その辺はまた教えるから安心してね。私もお母さんから教えてもらったから」
「助かる」
『税金つよつよだぁ……』
『高校生で社会に貢献出来てえらい』
そういえば。最近コメントが今までより暖かくなった気がする。ツッコミ系の中に全肯定してくれる人達が一定数居るのだ。
そんなコメントを見ていると。瑠花がくすりと笑った。
「カイリのボイス、かなり評判良いんだよ? ……ガチ恋勢たくさん生まれちゃうくらいには」
「いやいや。そんなはず……」
『は? 元からガチ恋勢だが?』
『結婚して♡カイリきゅん♡』
『養わせろこら』
あるのかもしれない。これを見る感じ。
「まあカイリの一番のガチ恋勢は私だけどね! 孕むのも孕ませられるのも私だけよ!」
「張り合うな。……ん? 今なんて言った?」
「まあまあ。気にしないで」
「まあまあでは済ませられない言葉が聞こえたけど? え?」
『ボテ腹カイリきゅんはイける』
『ごくり……』
『瑠花×カイリきゅんの同人誌はよ』
えぇ……? なんなのこの視聴者達。こわ。
まあそれは良いか。
「そういう訳で、ついに俺と瑠花。桃華が事務所に入る事になったんだが」
そう。ついに入るのである。Vtopに。
「ここまで長いようでめちゃくちゃ短かったな」
「まだ二ヶ月も経ってないもんね」
濃すぎる。この二ヶ月弱。
手から伝わってくる瑠花の体温を感じながら。ふと思い返した。
「……俺。ほとんど瑠花の振り回されてたな」
「生まれた時からだよ。気にしないで」
「それ気にしないとやばくない?そろそろ」
『デビュー時の衝撃やばかったよなぁ』
『鼓膜にまで衝撃行ったもんなぁ』
……まあ。最初はインパクトが大事だって言われたからな。俺のテンションも狂ってたし。
『Vtop入るならやっぱ洗礼もあるよな』
『三人の洗礼くっそ楽しみ』
……ん?
「洗礼?」
「あれ、もしかしてカイリ洗礼知らない?」
何それ知らない。
そんな俺に瑠花が説目をしてくれる。
「【Vtop】に新人が入ってくるとね。元々入っていた先輩達の洗礼を受ける事になるんだ」
「何それ怖い」
『実際怖いぞ』
『同期組で洗礼一つだから結構量もあるし』
『中には一番最近に読んだスケベ本を言えとかあったりね』
何その現代のコンプラに引っかかりそうな洗礼。
大丈夫? いきなりセクハラで事務所潰れたりしない?
「あ、安心してね。洗礼キャンセルとか洗礼スキップとか出来るらしいから」
「わあ現代的」
「ちなみに洗礼キャンセル&スキップをされた人達はやり過ぎ認定されて逆に洗礼を受ける事になったりするけどね」
「上手いこと作られてるんだな」
『大体毎年一グループは洗礼スキップ食らって逆洗礼を受けることになるよ』
ほう。ちなみにキャンセルとスキップは何の違いがあるんだろうか。
と思っていると、また瑠花が説明をしてくれた。
洗礼キャンセル……余りにも酷い洗礼があった時に使われるリタイア。キャンセルをされてしまったグループは自分達&その後に控えている人達の洗礼も受ける事になる。
洗礼スキップ……洗礼をスキップして次の洗礼に行く。スキップをされたグループは自分達の洗礼を受ける。
という感じらしい。キャンセルは今までで一度しか使われた事がなく、スキップは割とあるとか。
「とは言っても……もう俺達にNGとかないだろ」
「四肢をもぐとか言われない限りないよね」
「地獄の洗礼か。コンプラどころか法に引っかかるわ。……さすがに桃華でも無理だろ」
『桜浜桃華:私を舐めないでよね! か、カイリ君がしたいって言うなら……』
「居たのかよ。断れよ。俺にそんな猟奇的趣味はねえよ」
桃華も居たらしい。というかそろそろオフコラボをしなければ。
「あ、桃華ちゃん。洗礼の前にオフコラボしたいから後でDM送るね」
『桜浜桃華:了解よ!』
『いや裏でやれよwww』
まあこっちの方が連絡取りやすいし……
それにしても洗礼か。
……瑠花も桃華も居るから問題ないだろう。
と、この時までの俺は思っていた。
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