第4話
でもボクは、ゆなちゃんの大事な呉服屋さんを継ぐに値する人なのかなあ~って、自分でも考えた。
ボクの実家は、呉服屋さんでも何でもなくて、呉服を扱う仕事なんて、それまで見たこともなかったし、ゆなちゃんと会うまでは考えたこともなかった。
商売として呉服屋さんを継ぐには、仕事として、めっちゃ覚悟もいるだろうし、責任もあるだろうし、大変なんだろうなって思う。
でも、ゆなちゃんは、めっちゃ良い子だし、優しいし、活発だし、なんでも出来る子だから、むしろ、ゆなちゃんのほうで呉服屋さんを仕切っていけるだろうことは、ゆなちゃんを見てて、そうはっきり思える。
ボクと結婚したとしても、呉服屋さんの主な仕事は、ゆなちゃんのほうで仕切って、ボクはそんなゆなちゃんのことを支えていけば良いかもしれない。
ゆなちゃんはめっちゃしっかりしてるから、良き結婚相手を見つけて、うまく呉服屋さんの仕事をやっていけるんだと思う。
ボクも女の子みたいだから、呉服屋さんの仕事も、結構、適性あるのかも。
ゆなちゃんのママも、もしかしたら、そう思ってくれているかも。
そんなことを色々と考えながら、松山の小学校の4年生を過ごしてるボクだ。
5年生は月組になった。ゆなちゃんも、そらちゃんも同じ月組になって、2人とも、めっちゃ喜んでる。
そらちゃんはクラシックバレーにうちこんでいる。
だから、学校でも、ボクにとっての、いちばんの仲良しは、ゆなちゃん。
ボクは小学校で、いつも6年生の女子から追いかけられてる。
「女の子みたいで可愛い~」
って言って、学校でボクを見つけると、いつも走ってきて、抱きついてくる。
校庭で、6年生の女子から追いかけまわされてるボクのことを、ゆなちゃんは5年月組の教室の窓から顔を出して、笑いながら見ていた。
「ゆなちゃん、6年生の女子とも、もしかして、つながってるんだな!」
って思った。
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