第2話

小学4年生になる時に、愛媛県松山市の小学校に転校になった。


松山城のすぐ近くの小学校だ。

月組、雪組、花組とあって、ボクは4年雪組になった。


教室の前で、自己紹介してたら、他のクラスの子たちも、廊下から、のぞいて見ていた。

やっぱり、坊っちゃんの舞台となった街だなあ~って思った。


家に帰って、ママといっしょに松山の街を散策していた。

小学校の近くを歩いてたら、女の子2人とすれ違った。

ボクのこと見て2人で、めっちゃ笑ってた。

もしかして、同じ4年雪組の女の子なのかなあ~って思った。

「向こうはボクのことわかるけど、ボクからは、あの女の子たちのこと、まだわからないね」

ってママに言ったら

「そりゃそうだよ。今日転校したばっかりなんだから。明日、教室で会えるかもね...会えるといいねっ」

ってママは笑った。


次の日、教室で、女の子2人と会えた。

朝、教室に入ったら、女の子2人に

「おはよう!昨日、学校のそばを歩いてたでしょ」

って言ってもらえて、めっちゃ嬉しかった。

「うん。そうだよ!松山の街を散策してたんだよ」

「まさか、あそこで会うなんて思ってなかったから、2人で笑っちゃった」

って言って、また2人で笑ってる。

「ボクは、あの時は、同じ雪組の子だとは、わからなかったから、今日会えるかなあ~って、あれから、ずっと思ってたんだよ!会えて良かった!」


それから、ゆなちゃんと、そらちゃん、2人と仲良くなった。


松山でボクは松山少年合唱団に入った。

4年生の音楽の授業で、1人づつ全員歌を歌って、クラスで3人、音楽の先生に選ばれて、松山市の少年合唱団に推薦してもらえて、ボクも入団した。


ゆなちゃんは呉服屋さんの1人娘。

ゆなちゃんの彼氏は虎岡一也君っていう。

小3の頃から、2人は、つきあってるみたいだ。


虎岡君は4年花組。


ボクとゆなちゃんは同じ雪組で、めっちゃ仲良かった。


ある時、ボクの近くに虎岡君、歩いて近づいてきた。


「転校して来る前は、ずっとゆなちゃんといつもいっしょにいたのに...」

って、ボクに言ってるような雰囲気。


「小3の頃のこととかは、ボクは何も知らないし...」

って思ったら、虎岡君は

「まあ、そりゃそうだ。君は悪くない...」

って、そんなふうに思ってくれてたみたいで、そのまま歩いて、その場を去って行った。


ボクは

「虎岡君って、めっちゃ良いやつだなあ~」

って思った。

ゆなちゃんと小3の時に、つきあってたのも、わかる。

ボクより、だいぶ、しっかりとしている。


虎岡君も、どこかの御曹子みたいな感じする。


ゆなちゃんと虎岡君は、お似合いなんだろなあ~って思った。

将来、結婚するのかもなって。


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