女の子みたいなボクたち～まだまだちっちゃな恋

第1話

ボクはロンドンで生まれた。

幼稚園に入る前くらいの頃に、ピアノを習いはじめた。

まわり、みんな、女の子ばっかり。

でも、ボクは女の子みたいだから、こういう女の子ばっかりの空間は大好き。

いっしょに習ってる女の子たちみんな、ボクのこと、毎回応援してくれている。

だから練習は毎回めっちゃ楽しみなんだ。

ある日、ママといっしょに、大英博物館に行くために、大通りを渡ろうとしていたら、横に、赤ちゃんを抱いたロンドンの女の人いた。その人も道を渡ろうとしていた。そしたら、その女の人はママに

｢ロンドンの車は激しいから、大通りを渡るのも大変ですね｣

って話しかけてきた。

ママは大阪の人だから

｢大阪の車も激しいけど、みんな、うまいこと渡ってますよ。ロンドンも大阪も、ピーターラビットのいるような田園ではないですからね｣

って答えていた。

それから、隙を見て

｢それーっ！！今だーっ！！｣

って言って、みんなでいっしょに大通りを渡った。

｢どうも、ありがとう｣

って、女の人は、ママにお礼を言っていた。

それから、ママと大英博物館に行ってみた。

凄い美術品いっぱいあった。

幼稚園のお遊戯会で、マジシャンになった。

布で作った玉子を、服の中に隠し持っていて

｢パッと、お手々をたたいたら～｣

っていう歌とともに、玉子をサッと手に持って、何もないところから、玉子を取り出しました～っていうマジック。

ママたちの観に来てる中で華麗に披露！！

ロンドン動物園にも行った。

ゾウさんのぬいぐるみを買ってもらって、ずーっと手に持って歩いてた。

テムズ川沿いに家はあったから、よくテムズ川のほとりを散歩している。

ちっちゃい可愛い女の子とも、よくすれ違う。

おたがいに顔を見合わせて笑ってる。

ミュージカルも観に行く。

2階建てバスも乗ったりしてる。

小学生になる時、パリに引っ越した。

ちっちゃな運河の近くの家だ。

セーヌ川を遊覧船に乗ってパリの街を眺めてる。

オルセー美術館に行って、カバネルさんや、ブーグローさんの描いた｢ヴィーナス誕生｣の絵を観るの大好き。

ちっちゃな丘に行くと、エッフェル塔も見えて、そこで飛行機のおもちゃを飛ばして遊んでいる。

ルーブル美術館に行ったり、近くの公園に行ったりしてる。