第8話 ブルーとブラウン
日本人用のパスポートの中身を入れ替えられた身分証の中身はこうだった
「ストレンジャーズ革命チーム、名前ヘイトザセントラル。ヘイストストリートの殺人パイロットだったっけ。本名はカイル・スクワイア チームの所在地はセントラルタワーマンズパンクスタイル センテラス地区教会か、ストレンジャーズの組織のヒットマンだとしたら厄介ね」
クラシックなハリーデイビッド製のバイク前輪を薄暗い玄関に跨いで廊下に入れたベロニカは先ほど殺害したカイルという男の身分証と持ち金三百万ドルと書類その他の武器や食べ物を確認していた。
数枚の書類を見ていると一部がコミックのようなピエロの似顔絵と全体図。それとは別にホームレスの描かれたイラストの中に「FOCUS Sense!」とメモ書きがある。イラストには筋肉質な髭の老人が書かれいる。それらは赤と青のペンのみの走り書きで書かれていることからカートゥニスト(漫画家)が革命軍にいるようだ。
「わざわざ写真にはできない理由があるのか?なるほどピエロ(サイコキッド)はハローズ近辺の連続誘拐犯、セントラル近辺のパンクスタイル センテラスホテル近辺でいつも姿を消す…か。フォーカスセンス、センスカラーはブルー?音量感知?フォーカスセンスとはなに?」
「シリアルキラー「ブラウン」…殺人鬼のホームレス…。センス…はブラウン、バイタリティ(生命力)ね。この街に来て二年になるけどこんなのがいたとはね」
メモ書きを退けるとヘイトザセントラルのドクロが描かれた薄くて小さい盾とタバコ(REXスモーク)が三箱と三つの鍵がついたキーホルダーが入ったポーチが入っていた
ポーチの中に入っているメモ用紙にはこう書かれていた
「センスブルーのピエロにさらわれたボスの隠し子を探せ ブラウンは北西スラム街に潜ったはずだ見かけたら連絡をしてくれ」
「あのピエロは革命軍のボスから依頼されたターゲットだったのか。しまったな、革命軍の連中に絡まれる前にピエロを見つけて殺す必要があるかも」
玄関で座り込んでいたベロニカは頭を掻いて回した、面倒なチームの人間を殺してしまった、カイル(パイロット)の死体は匿名で回収車を呼んだのだがそれもバレる可能性がある
(ジリリリリ!)
暗い玄関にチャイムが鳴った。玄関で座っていたベロニカは立ち上がってすぐ扉を開けた。
ドアを開けるとコリアンなアジア系の顔つきに黒髪ロングヘアー。Tシャツの上にムートンコート、ジーンズとロングブーツを履いた少女が立っていた。
「あなたが掲示板に書き込んだエリザ?」
エリザは暗い顔で頷いた
「まだ時間があるから今から届くピザを一緒に食べる?」
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