いつもより積極的になる幼馴染と戸惑う僕


「こんにちは楓奏さん、事情は月詠から聞いています。気軽に呼んでくれて大丈夫ですよ。」



「あ、はい!こんにちは敷原さん!これからよろしくお願いします!」



僕は慌てて挨拶をして少し畏まってしまった。それを見たつくちゃんが少し拗ねたような声で僕と敷原さんの間に入る。



「もう!ちょっと!なきりん!私のかなちゃんを誘惑しないでよ!!あんた普段から落ち着きすぎているから、対処が難しいのよ!!」



「そんなこと言われてもこれが私だからそう言われても変えようがないわよ。

でも、楓奏さんが私の予想よりも遥かに可愛らしくて少しはしゃいじゃってるのかもね♡」



そんなことを言いつつも、なんだかお互いが分かっているかのような雰囲気を出しているからかなり仲がいいのだと僕は思った。

気軽に悪口を叩く当たり信頼してるのは分かるけど、つくちゃんが言ってることがやはりイマイチ分からない僕はやっぱり鈍いのかなと思ってしまう。



「そういえば、月詠からの提案で、少し慣らすために私と合わせたのよね?私は楓奏さんのお役に立てり?学園では、私もできるだけサポートはするつもりだけど...」



「全然!大丈夫ですよ!!僕がただかなりオドオドしているだけなのでなんか気を使わせてごめんなさい(...シュン」



「かなちゃんはきにしなくていいんだよ!!少しづつでいいから、慣らしていこうよ!私達は離れないからさ!

....むしろ、私が追い回して色々とやってしまいそうだけども((ボソッ」



「そうだね、僕もできるだけ慣れるようにするね!」



僕はそう言って心の中で頑張るぞ!と気合を入れて今日のお出かけを楽しもうと思った――






❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉





あれから少し歩いて、女の子が行きそうな所をつくちゃんと敷原さんとで一緒に回っていた。



僕は初めて行く所を、新鮮な気持ちで見ることが出来た、前まではこんなことも、自分を塞ぎ込んだせいで、見ることもなかったけど、今はつくちゃんに敷原さんもいてすこしだけど、それが嬉しくて、心地も良かった。



色々と考えていると、敷原さんが僕に話しかけてこういう。



「楓奏さんは、やっぱりまだ外は怖い?今更だとは思うんだけど、さっきまで色んな所にいって視線集めてたから、大丈夫かなと思ったんだけど....」



「え?そういえば、そんなこと考えてなかったよ、つくちゃんと敷原さんがいてくれて色々と教えてくれて、つい夢中になって、楽しくて、忘れてたよ。」



「もう!かなちゃん!私も凄く楽しかったし、嬉しい!!もう抱きしめちゃう!ぎゅぅ〜〜っ

♡」



「もうつくちゃん!恥ずかしいよ!うぅぅ...」



僕はそうしてくるつくちゃんを振りほどけずに、凄く恥ずかしくて顔全体が真っ赤になってるんじゃないかってぐらい熱かった。



でも、こんな他愛も無いことをしてるのが、僕にとっては恥ずかしさもあるけど、それより、嬉しさと楽しさがあって、こんなひと時が、堪らなく有難かった。



「月詠もだけど、楓奏さんにはこれからも一緒に楽しいことをして行きましょ?ね?

まだまだ、これからなんだから、楽しまないと損ってもんでしょ?」



「敷原さん... うん!ありがと!!まだ情けないけど、これからも一緒にいてくれると僕も嬉しいよ!!」



僕はそういい、少し慣れたのか、満面の笑みでそう答えて敷原さんの手を握り閉める。



「あぁぁぁっっ!!何羨ましいことしてるのよ!?私も混ぜなさいよ!!えい!かなちゃんの背中ゲット!!もう離さないんだからね!」



そういうつくちゃんは、抱きしめて離れようとしなかったけど、敷原さんがどうにか説得して、腕組みで許して貰えたけど、お出かけが終わるまでその体制でずっと、つくちゃんは離れようとしなかった為、僕は終始戸惑いながら恥ずかしさと嬉しさでどうにかなりそうだった。



これからは、ある程度つくちゃんの絡みにも慣れないと行けないと、今僕は思うのであった。





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