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しばらくしても誰も帰って来ないし、未来ちゃんたちもいつの間にかいない。ハブられた?


「パパ、どこいたの?」


座っていたら、未来が顔を覗き込んで来た。


「ずっとここにいたよ」


「お昼ご飯食べてたのにパパ来ないんだもん」


「ごめん」


「未来、探すの大変だったんだからー」


そう言って俺の隣に腰かける。


「その格好でウロウロしちゃってるの?」


「だってお店でも水着着たままでいいんだよ」


「いや、露出多いから、心配だよ」


持ってたバスタオルを肩にかける。


「パパ、未来の水着気に入った?」


「うん。かわいいよ。でも、他の男たちがじろじろ見てるのが嫌だな…」


「パパ、未来ナンパされちゃった」


「えー、うそ。…も、もちろん断ったよね」


「うん、パパいるもん」


うわ。嬉しい。そんで腕にくっつく未来ちゃん。かわいいけど、辛い。


「未来ちゃん、そんな格好でくっついちゃだめだって…」


「ふふ。パパったら未来にメロメロなんだからー!」


ふん、なに言われたっていい。男たちのどんな罵声でも受け止めたる!


「未来、お前どこ行ってんだよ」


「ごめん、ここにいたよー」


「おっさん、未来から離れろよ」


「いいじゃん。未来がくっついてんの」


「未来、おっさんはお前の体目当てだぞ?絶対」


「それのなにが悪い」


開き直ってやる。俺は未来ちゃんがかわいくてたまらねぇぞ!


「もー!変なこと言わないで!バカ!」


あっ…怒られた。調子乗りすぎた。


「うわ、きもっ」


総合的にお友達からの評価は悪かった。が、未来ちゃんは俺のいない間に、楽しく女子と遊んでいたみたいでよかった。

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